ギャラリーを楽しませたデシャンボーのビッグドライブに規制は必要か

最終日も6番ホールでは377ヤードのビッグドライブ。デシャンボーのショットが多くのギャラリーを楽しませた 写真・Getty Images
最終日も6番ホールでは377ヤードのビッグドライブ。デシャンボーのショットが多くのギャラリーを楽しませた 写真・Getty Images 【拡大】
 アーノルド・パーマー招待で、ブライソン・デシャンボーが昨年9月の全米オープンに続く今季2勝目を挙げた。フェデックスランキングも1位に浮上し、世界ランキングは6位と、今や米PGAツアーの看板選手である。

 デシャンボーといえば飛距離。今大会でも、一日5000人限定で入場したギャラリーの多くが、デシャンボーの組に集まった。

 開催コース、ベイヒルクラブ&ロッジの注目は、555ヤード、パー5の6番ホールだ。左側が大きな池に沿ったホールで、池越えのティショットは大きくショートカットも可能とあって、デシャンボーは「風向きによってはグリーンを直接狙うことも可能だ」と、開幕前から豪語していた。

 デシャンボーの組についたギャラリーは、当然6番ティは大騒ぎだ。第3ラウンドではデシャンボーが一度アイアンを手にするジョークを見せると大きなブーイング、ドライバーを握り直すと大喝采を浴びせた。グリーンこそ狙わなかったが、370ヤードのビッグドライブが対岸のフェアウェイを越えてラフまで転がると、ファンも大歓声を挙げた。

 最終日は、右からの強いフォローと好条件。デシャンボーは再びグリーン方向を狙い、377ヤード飛ばして対岸のバンカーに入れた。他の選手が250ヤード前後の2打目を残すのに対し、デシャンボーは70~80ヤード。強風でスコアを崩す選手が続出する中、71で優勝を決めた。

 R&AとUSGAにとって“飛びすぎ”は長い間向き合ってきた問題だ。現在も、

「世界のプロツアーにおいて著しい飛距離の増加は望ましくなく、大きな懸念を抱いている。ルールやクラブ、ボールに規制を設ける」

 と、新しいルールの制定に向かっている。しかし、この動きには反対する選手たちは多い。また、アーノルド・パーマー招待で最終日、最終組で戦ったリー・ウェストウッドも、デシャンボーのプレーを絶賛した。

「あの飛距離は見ていて本当に愉快だった。彼のやっていることは独創的で、ものすごく努力をしている。飛距離だけでなくアイアンショットの精度も光った。ショートゲームも素晴らしかった。だから勝った。飛びすぎることが取り沙汰されているが、何が問題なのか分からない。先週はロングヒッターではないコリン・モリカワが勝ったし、間もなく48歳になるボクだって優勝争いができる。ゴルフはこんなにも面白いゲーム。健全に進んでいるし、未来は明るい」

 実際に多くのファンがデシャンボーのエンターテインメントを楽しんだ。飛距離はアドバンテージだが、それだけでは勝てないことは誰もが理解している。“飛びすぎ”の規制は、果たして正しい道なのだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2021年3月30・4月6日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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