人数制限を設けながら観客動員に舵を切り始めた米PGAツアー

例年はパトロンで埋め尽くされるマスターズ。18番グリーン周りも、昨年はメディアと関係者のみ。今年はどんな風景になるのだろう 写真・Getty Images
例年はパトロンで埋め尽くされるマスターズ。18番グリーン周りも、昨年はメディアと関係者のみ。今年はどんな風景になるのだろう 写真・Getty Images 【拡大】
 米PGAツアーの2020-21シーズンは、順調に開催が進んでいる。屋外で距離を取ってプレーするゴルフは、屋内スポーツと比べて安全という認識もあり、観客動員の動きが加速している。

 2月にかけて開催されている西海岸シリーズは、カリフォルニア州がスポーツイベントの観客動員を禁止しているため、ザ・アメリカンエキスプレス、ファーマーズインシュランスオープン、AT&Tペブルビーチプロアマ、ジェネシス招待の4大会は無観客試合が決まっている。例年は多くのセレブリティが出場してプロアマ戦として華やかに開催されているザ・アメリカンエキスプレスとAT&Tペブルビーチプロアマは、ともにアマチュアの出場をなくし会場も3コースから2コースへと縮小、無観客でプロだけの72ホール大会に。ファーマーズインシュランスオープンでは選手の家族、関係者のコース入りも制限するなど厳しい措置が取られる。

 一方、アリゾナ州で開催されるウェイストマネージメントフェニックスオープンは西海岸シリーズで唯一、観客動員される。例年一日に10万人以上がコースを訪れ、名物の16番パー3は四方をスタンドに囲まれ2万人が集まる大会だ。当初、一日8000人の動員が発表されたが、「多すぎるのでは」と不安の声が噴出し5000人に変更、スタンドは4階建てから1、2階建てになる。

 続く3月からの“フロリダスイング”では、制限つきの観客動員が主流になりそうだ。

 最も注目を集めたのは4月のマスターズの動向である。昨年末、パトロンにチケットの取り扱いの延期が通達されたが、1月に入ると人数制限のうえでパトロンの入場を許可する、と発表された。マスターズはもともと入場者数を公表していないが一日4万人程度といわれている。どのように入場者を制限するのか、詳細は明らかにされていない。

 アーノルド・パーマー招待も人数制限つきでの観客動員を発表、翌週のプレーヤーズ選手権も制限つきの観客動員を決め、17番パー3を取り囲むホスピタリティテントも規模を縮小して建設予定だ。

 米PGAツアーが順調に試合を開催できるのは、テレビ局からの放映権収入が大きい。昨年3月にネットワークのNBC、CBS、そしてケーブル局のESPNと放映権契約を延長、金額は7割増しの9年間6億8千万ドルといわれている。しかし、各大会の主催者はチケットが発売されなければ利益はなく、チャリティなど地元の経済は観客が動員されなければ動かない。

 全米で始まったワクチン接種の様子を見ながら観客動員へ舵(かじ)を切った米PGAツアー。少しずつ日常へと向かい始めている。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2021年2月16・23日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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