変則日程となった2020年、米PGAツアーを盛り上げたのは?

2019-20シーズン王者となり、マスターズ初制覇。ダスティン・ジョンソンが20年の米PGAツアーを牽引した 写真・Getty Images
2019-20シーズン王者となり、マスターズ初制覇。ダスティン・ジョンソンが20年の米PGAツアーを牽引した 写真・Getty Images 【拡大】
 米PGAツアーは12月1週のマヤコバクラシックの後、4週間のシーズンオフを迎えた。2020年は新型コロナウイルスに大きな影響を受けて3月に中断、6月に再開してからは19-20シーズン13大会、20-21シーズン12大会が開催されたが、ウイルスに感染した選手やキャディがいたものの重症者やクラスターが発生しなかったことは、成功だといえるだろう。コミッショナーのジェイ・モナハン氏のビジネス手腕と、選手や関係者がそれぞれできることをやった結果である。

 20年のツアーを牽引(けんいん)したのは、世界ランキング1位に返り咲き、マスターズを制したダスティン・ジョンソンだ。ツアー再開直後のトラベラーズ選手権、プレーオフ初戦のザ・ノーザントラスト、最終戦のツアー選手権で優勝し年間王者の座に就くと、11月開催のマスターズでついにグリーンジャケットを手にした。平均320ヤードを超える飛距離を武器にしたパワーゲームで強さを発揮してきたジョンソンだったが、今年はアプローチ、パッティング、そして精神的な成長に取り組んだ。9月には自宅の近くに住むグレッグ・ノーマンにパッティングのコーチを依頼したという。

「パットを見てほしいと連絡があり、喜んで引き受けた。1時間30分ほど見て気づいた技術的なことを伝えたが、ほとんどの要因はメンタルだった。オーガスタでは日に日にパットがよくなって、素晴らしかった。彼ほど闘争心にあふれた選手はいない」

 と、ノーマンはその成長を絶賛している。マスターズ直前に新型コロナウイルスに感染、出場も危ぶまれたが無事に復帰したうえで優勝したことも今年を象徴しているだろう。

 20-21シーズンのフェデックスポイントランキングでジョンソンに続いて2位につけているブライソン・デシャンボーは、ゴルフ界全体を巻き込む論争を巻き起こしたことも印象的だ。

「飛距離アップがスコアアップにつながる」と、ツアー休止期間中に体重を10キロ以上増やしたデシャンボーが全米オープンでメジャー制覇を成し遂げたことは、さまざまな選手に影響を及ぼした。

 例えば、フィル・ミケルソンはドライバーのシャフトを長くし、マシュー・フィッツパトリックは「飛距離はスキルではない」と発言、自身もロングヒッターであるにもかかわらず、ローリー・マキロイは飛距離を求めるゴルフに否定的な考えを述べた。

 一方、活躍が期待されたタイガー・ウッズが、6月のツアー再開後、あまり積極的に参戦しなかったのが残念だ。寒さの中ではどうしても腰の痛みや張りを感じてしまうウッズにとって、メジャーが秋に延期となったことは難点だっただろう。21年に期待したい。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2021年1月5・12日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

ツアー最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ