
世界各地で再びロックダウンが実施される中、米国は感謝祭の休暇を迎えた。例年、この時季はゴルフコースにとって最も忙しい。寒い冬を前に最後のラウンドを楽しもうと、家族、友人同士が地元に集まり、プレーをする機会が大きく増える。今年もゴルフコースでは変わらず多くのゴルファーがプレーを楽しんだ。
新型コロナウイルス感染拡大でもゴルフは活況だという。3月半ばには米国のほぼすべての州でゴルフコースもクローズとなったが、4月末から徐々にオープン。クラブハウスを使用できない、歩きプレー、カートは一人一台などさまざまな規制を設けてプレーが可能になった。多くの人々が自宅にこもりがちな中でも、屋外でプレーするゴルフは感染リスクが少ない、とオープンしているパブリックコースはなかなか予約が取れず、州外からのゴルファーを規制する動きさえあった。
CBSネットワークが『マネーウオッチ』という経済番組の中で伝えたところによると、8月の米国でのゴルフクラブ、ボール、グローブなど用具の売り上げは約3億3100万ドルで、前年同月の32パーセント増、2006年以降最高の売り上げだという。1月~10月の10カ月間でも昨年を約30パーセント上回っており、最も売り上げが伸びたのは、スイングのトレーニング用具、パッティングマット、スイングシミュレーションマシンなど、自宅でできるゴルフ練習器具で、前年の75パーセント増だった。
さらに顕著なのがラウンド数だ。ナショナルゴルフファンデーション(NGF)によると、10月までの各コースのラウンド数は平均で約33パーセント増えた。注目すべきは“9ホールプレー”がラウンド数の15パーセントを占めていること。
「これまでにない数字で、人々がリモートワークの中で早朝や午後、夕方に、約2時間の休憩で9ホールをプレーすることが定着してきた」
と、NGFはリポートしている。
折しも今年は全米ゴルフ協会が“9ホールプレー推奨”を開始、コロナ禍でのゴルファーニーズにはまった形になる。ゴルフ人口の減少が大きな問題となっていたのはわずか数年前だが、CBSは「ラウンド数増加の中には初めてクラブを握るゴルファーも10パーセントほど含まれているだろう」と、試算している。
英国イングランドでは、コースがクローズされていたが12月上旬に再開。米国もロックダウンされている一部の都市でも、プレー後の会食やクラブハウス使用は制限されているものの、プレーへの影響はなさそうだ。ワクチンの実用も見えてきたが、この状況はしばらく続く。覚悟して安全にプレーを続けたい。
文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年12月22・29日合併号)掲載
武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。
新型コロナウイルス感染拡大でもゴルフは活況だという。3月半ばには米国のほぼすべての州でゴルフコースもクローズとなったが、4月末から徐々にオープン。クラブハウスを使用できない、歩きプレー、カートは一人一台などさまざまな規制を設けてプレーが可能になった。多くの人々が自宅にこもりがちな中でも、屋外でプレーするゴルフは感染リスクが少ない、とオープンしているパブリックコースはなかなか予約が取れず、州外からのゴルファーを規制する動きさえあった。
CBSネットワークが『マネーウオッチ』という経済番組の中で伝えたところによると、8月の米国でのゴルフクラブ、ボール、グローブなど用具の売り上げは約3億3100万ドルで、前年同月の32パーセント増、2006年以降最高の売り上げだという。1月~10月の10カ月間でも昨年を約30パーセント上回っており、最も売り上げが伸びたのは、スイングのトレーニング用具、パッティングマット、スイングシミュレーションマシンなど、自宅でできるゴルフ練習器具で、前年の75パーセント増だった。
さらに顕著なのがラウンド数だ。ナショナルゴルフファンデーション(NGF)によると、10月までの各コースのラウンド数は平均で約33パーセント増えた。注目すべきは“9ホールプレー”がラウンド数の15パーセントを占めていること。
「これまでにない数字で、人々がリモートワークの中で早朝や午後、夕方に、約2時間の休憩で9ホールをプレーすることが定着してきた」
と、NGFはリポートしている。
折しも今年は全米ゴルフ協会が“9ホールプレー推奨”を開始、コロナ禍でのゴルファーニーズにはまった形になる。ゴルフ人口の減少が大きな問題となっていたのはわずか数年前だが、CBSは「ラウンド数増加の中には初めてクラブを握るゴルファーも10パーセントほど含まれているだろう」と、試算している。
英国イングランドでは、コースがクローズされていたが12月上旬に再開。米国もロックダウンされている一部の都市でも、プレー後の会食やクラブハウス使用は制限されているものの、プレーへの影響はなさそうだ。ワクチンの実用も見えてきたが、この状況はしばらく続く。覚悟して安全にプレーを続けたい。
文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年12月22・29日合併号)掲載

大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。