米国内でギャラリーの入場が解禁、選手への声援がコースに戻ったが……!?

優勝したカルロス・オルティスを称えるギャラリーの中にはマスクをしていない人もいれば、ソーシャルディスタンスも守られていない 写真・Getty Images
優勝したカルロス・オルティスを称えるギャラリーの中にはマスクをしていない人もいれば、ソーシャルディスタンスも守られていない 写真・Getty Images 【拡大】
 マスターズ前週のビビント・ヒューストンオープンで、米国内の試合で初めて観客動員が再開された。一般に発売された2000枚とスポンサーや家族などに充てられた500枚の、一日2500人。何万人ものギャラリーが押し寄せることのあるツアーでは少ないと思っていたが、実際にコースに出ると、久しぶりに見る人混みは屋外とはいえ、何となく怖かった。

 しかし、ゴルフファンたちは観戦を待ちわびていたのだろう。大歓声を上げてプレーに熱狂、スタート時に選手の名前が呼ばれると大喝采する姿からは、興奮が伝わってきた。無観客下ではタイガー・ウッズの名前がコールされても静まりかえっていたから、この瞬間が最も大きな変化だ。

 しかし、ギャラリーに取られていた安全対策は、果たして適切だったのだろうか。

 入り口で検温をクリアした人は手首に紙のバンドを着けて入場する。常にマスクを着用するよう義務づけられているが、飲食の際は外してもOK。会場内にはいくつものギャラリープラザが設置されていた。ビールを飲みながらテーブルを囲んで歓談を楽しむうちにマスクを外してしまう人も多い。“ソーシャルディスタンスを守ろう”という看板も、“マスクを着けよう” という言葉に変えられていたボランティアの掲げる“お静かに”のサインも、むなしいものだった。

 そして、大会が終わるとセルヒオ・ガルシアの感染が発表された。ガルシアは同大会に出場し初日、2日目をプレーし予選落ち。自宅に戻った土曜日にノドの痛みなどを発症、日曜になっても治まらず検査を受けると陽性だった。感染経路は大会からとは限らないし、11月10日時点で同大会に参加した選手で感染したのはガルシアだけだ。

 フィル・ミケルソンは1番ティにメジャーを思わせるほどのギャラリーを集め、

「やっぱりファンの前でプレーできることはプロとして何よりもうれしい」

 と、ギャラリーが戻ったことを喜んだ。松山英樹も、

「日本出身の方がいて声援をもらったので“ギャラリーが入ったんだな”と感じました。もしこれで感染が増えたら、ファンが入ったからということになるけど、やっぱり声援をもらうとやりがいになる」

 と、基本的には観客動員を歓迎していた。小平智もいう。

「ファンとの間にロープがあるので全然怖くはない。でもクラスターなどが起きないように、今まで以上に気をつけたい」

 もし感染者が増えれば、今後の観客動員に大きく影響を及ぼすだろう。さらに米国大統領選挙にジョー・バイデン氏が勝利したことで、コロナ対策は強化されるはずだ。今後も観客が動員される方向に進むかは不明だ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年12月1日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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