KPMG全米女子プロ選手権で猛追、3位に入った畑岡奈紗の底力

最終日に調子を取り戻し3位タイに。次のメジャー、全米女子オープンでタイトルを狙う 写真・Getty Images
最終日に調子を取り戻し3位タイに。次のメジャー、全米女子オープンでタイトルを狙う 写真・Getty Images 【拡大】
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で日程が変更になったKPMG全米女子プロ選手権で、畑岡奈紗は最終日に猛追、優勝には届かなかったが3位タイ入賞を果たした。

「自分が今できるすべてをやり切ったと思う」

 プレーオフで敗退した2年前のこの大会と同じく、メジャー制覇のチャンスを逃したにもかかわらず、明るい表情で話したのは、前週のショップライトクラシックの3日目から、9月のANAインスピレーション以降好調だったショットが少しずつズレ始めていた中での戦いだったからだ。

「真っすぐ行かないときは右に曲げたり左に曲げたりしてみて、イメージのいいほうで打っていくようにしています」

 昨年、メジャー前週に調子が上がり切ってしまったことから、今季はメジャー前週を休んで臨む予定だった。しかし、コロナ禍で試合数が減ったため、畑岡はできる限り出ると決めた。

 開催されたアロニミンクゴルフクラブは、コース全体が地形を生かしたアンジュレーションに富んだ設計。さらに、6577ヤード・パー70と飛距離が求められるセッティングだった。100パーセントの状態で大会を迎えたかっただろう。

「下半身リードの形でクラブを下ろすことができていないから、コントロールが利かなかった」

 と、ようやく改善点を見つけられたのは、最終日だった。スタートホールのイーグルを皮切りに前半で4つ伸ばした。

 しかしこの日、畑岡が見せた強さは安定感を取り戻したショットでスコアを伸ばし続けただけではない。

 後半、さらにまくろうと意気込んだ10番パー4、ティショットを大きく右に曲げ、打球は木に当たりラフに落ちた。グリーン左手前の池だけは避けたい2打目をグリーンの右に運ぶと、3打目は迷わずユーティリティを手にした。強めにヒットするとピン奥の大きなマウンドを使って戻し、1メートルまで寄せてパーセーブ。

「あそこにピンを切ってくるとは思っていなかった。手前からは下りだったし、ライン上にスプリンクラーがあったので、奧の傾斜を使うしかなかった」

 メジャーにピークを合わせる難しさを知り、100パーセントの状態ではない中で、技術とメンタルをマネージメントしていくという、強みを増やしていた。

「感覚を一番大事にしたいと思っているので、今はコーチをつけずにやっている。体の調子と向き合って、どういうスイングができるか、その日の体の動きでいろいろ対応していく感じ。トレーニングの調整もうまくできるようになってきたと思う。焦らずに一歩一歩進んでいけばいい」

 次のチャンスは12月の全米女子オープン。今度こそメジャータイトルへピークを合わせて挑む。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年11月3日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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