女性会員受け入れから1年、ミュアフィールドでAIG女子オープン開催へ

今年の優勝はロレックス世界ランキング304位だったソフィア・ポポフ。2022年はミュアフィールドで、どんなシンデレラストーリーが繰り広げられるだろう 写真・Getty Images
今年の優勝はロレックス世界ランキング304位だったソフィア・ポポフ。2022年はミュアフィールドで、どんなシンデレラストーリーが繰り広げられるだろう 写真・Getty Images 【拡大】
 新型コロナウイルス感染対策で、開催も危ぶまれたAIG女子オープンが無事に開催され、初日の前日にR&Aから来年以降5年の開催コースが発表された。

 いずれも英国を代表する名門コースばかりだが、特筆すべきは2022年にミュアフィールドでの開催が決まったことだ。

 ミュアフィールドはスコットランドの首都・エジンバラから東へ30キロ余り、北海を望む美しいリンクスコース。『オナラブル・カンパニー・オブ・エジンバラ・ゴルフ』として1744年に設立、英国でも最も歴史あるゴルフクラブの一つとして知られている。男子の全英オープンは過去16回開催されている。

 だが、その長い歴史で常に女性は排除されてきた。16年に女性会員を受け入れるか否かの投票が行われたが、賛成が3分の2に到達せず否決。この結果を受けて、R&Aが男子の全英オープンの開催ローテーションからミュアフィールドを外す、と決定。

 1年後に再投票が行われ80パーセントの賛成により可決、さらに2年を経た昨年、ようやく女性会員が迎え入れられた。

 英国でも実に長い間、ゴルフクラブは“女人禁制”だった。しかし、14年9月にR&Aが女性会員を誕生させると、一気に女性会員の受け入れが進んだ。今年のAIG女子オープンの会場、ロイヤルトゥルーンもその一つで、長らく男性会員しか認められなかったが、ミュアフィールドと同じく16年に投票が行われて女性会員が誕生し、今年、男子の全英オープンが開催される予定だったロイヤルセントジョージズも、女性会員受け入れに踏み切った。ロイヤルトゥルーンは23年の男子の全英オープンも開催されることが決まり、1年遅れの24年に開催の予定だ。ミュアフィールドも、近く男子の全英オープン開催が決まるだろうといわれている。

 米国ではまだ女性会員がいないプライベートクラブが存在する。米国の法律ではプライベートクラブは基本的に自分たちの好きな形にできるからだが、人種、性別、年齢などの差別が認められている場所では、あらゆる競技は開催しないというのが現在のスポーツ界のポリシー。干渉を嫌いツアー開催から撤退したクラブが存在するのも現実だ。

「ミュアフィールドで女子オープンが開催されることは大きな意義がある。そして、これからの5年、英国のベストコースに世界中のトップ女性ゴルファーが集まることは、女性ゴルファーだけでなくゴルフ界全体にとって素晴らしい」(R&A会長のマーチン・スラバー氏)

 そんな歴史を振り返ると、シンデレラの誕生の感慨もさらに深いものとなる。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年9月15日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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