米PGAツアーの新型コロナウイルス対策は、選手を守るためのものにシフトチェンジ

ツアーのルール変更により、キャメロン・チャンプは急遽出場できることになった 写真・Getty Images
ツアーのルール変更により、キャメロン・チャンプは急遽出場できることになった 写真・Getty Images 【拡大】
 米PGAツアーが再開して4戦目のロケット・モーゲージクラシックは、相変わらず無観客での開催だったが、コミッショナーのジェイ・モナハン氏が、

「新型コロナウイルス対策は、すべての人にとって初めてのことばかり。その都度、臨機応変にルールは改定していく」

 と話したように、2週前のRBCヘリテージからさらに、新型コロナウイルス感染対策のルールがいろいろと変更になった。

 最も大きな変更点は、PCR検査で陽性反応が確認された場合、これまでは少なくとも10日間のツアーからの隔離が義務づけられていたが、一度陽性反応を示しても、本人が無症状でその後24時間以上後の再検査で、2度陰性と判定された場合は、試合への出場が認められることになった。つまり最初の陽性反応が、疑陽性だった場合への対応だ。

 キャメロン・チャンプはトラベラーズ選手権の開幕前に陽性反応が確認されたことで、直ちに出場を取りやめて現地で待機することとなった。しかしまったく症状がなく、その後受けた検査で、3日連続で陰性と判定されたため、テキサス州ヒューストンの自宅へ戻ることが認められた。

 この間、チャンプのエージェントが何度もツアーや医療機関にかけ合ったことから、ツアーはルールの変更を決めた。そして、ロケット・モーゲージクラシックの出場がすでに決まっていた156人にチャンプを加え、初日の一番遅い14時10分スタートの組を用意した。

 ツアー復帰の道が開かれたチャンプに、その知らせが届いたのは、開幕の前日の午後だった。スタートまで24時間を切っていたが、チャンプは出場を決意すると木曜の早朝にヒューストンからデトロイトへ移動、再度PCR検査を受けて陰性が確認されたことで、無事に出場できた。

 プレーを終えたチャンプは、

「プレーできるようにサポートしてくれたボクのチーム、そしてルールを変えてくれたPGAツアーに感謝する。医療チームと何度も話し合ったが、ボクは新型コロナウイルスには感染していなかったと思う」

 今後もチャンプのように、疑陽性の後、陰性と判断されるケースは出るだろう。そのときに最短で復帰できる道がつくられたことは、選手にとって大きな安心を生むはずだ。

 さらに、万が一選手やキャディが感染した場合の支援も手厚くなった。もともと、隔離中の費用はツアーが負担することになっていたが、選手には最大で10万ドル、キャディには同1万ドルが補償されることが決まった。

 現地で陰性が確認されるまではコースへの立ち入りを禁止するなど、一方で規制を強化しているが、米PGAツアーのルール変更は、選手たちが安心してプレーできる環境づくりへと方向性をシフトしている。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年7月28・8月4日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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