再開した米PGAツアー初戦が、感染による“失格者”を出さずに終了

握手やハグの代わりにお互いの腕でタッチする新しいスタイルも、徐々に定着するのだろうか 写真・Getty Images
握手やハグの代わりにお互いの腕でタッチする新しいスタイルも、徐々に定着するのだろうか 写真・Getty Images 【拡大】
 新型コロナウイルス感染対策のために中断していた米PGAツアーが再開した。コミッショナーのジェイ・モナハン氏は、

「ここまでくるために多大な努力をしてくれたスタッフ、スポンサーたちを心から誇りに思う。3カ月ぶりのライブスポーツに世界中が注目している。安全と健康を第一に、他のスポーツリーグの参考になるよう努めていきたい。これからが新たな挑戦だ」

 と、話した。

 レギュラーツアーのチャールズ・シュワブチャレンジでは、会場入りした選手のほか、キャディ、関係者、スタッフのPCR検査が開幕前に実施され、全員が陰性だった。また、最終日まで毎日行われた検査によって失格となる選手も出なかった。下部ツアーのコーンフェリー選手権では、選手一人とキャディ3人が、いずれも現地入りする前に自身で行った検査により陽性だったため欠場したが、156人が出場した。

 世界ランキング1位のローリー・マキロイは、「ツアーはできる限りの万全な態勢をつくってくれた。100パーセントの安全はないが、しっかり“ニュールール”をフォローして、ツアーが続行できるように努めていきたい」

 と話したが、事前に通達された「安全と健康のためのルール」に慣れるのは、なかなか難しかったようだ。

 日常生活で徐々に浸透している“握手やハグはなし”、“ソーシャルディスタンスを保つ”も、久しぶりに会う仲間たちにはつい、という場面が見られた。

 また、自身でクラブをバッグから取るというルールも、いざ試合が始まると、これまでのキャディから受け取るルーティンへの慣れから、戸惑う選手も多かったようだ。ピンフラッグもキャディの抜き差しはOKだが、触った後に除菌を行うこと、というルールは徹底されていなかった。各ホール間には、除菌用アルコールのボトルが置かれ、使用を推奨されているが、ほとんど使われなかったようだし、唾を吐くことも禁止になったが、テレビ観戦でも確認できるほど頻繁だった。

 食事についても、クラブハウスではテイクアウトのみの提供、夕食も外食を控え、ホテルのルームサービスかテイクアウトを利用することとされていたが、多くの選手がレストランで食事をしているのが確認されたという。

「予選落ちしてもツアーが用意したチャーター機に乗れるのは月曜日。練習だけで過ごしホテルに缶詰めというのは、現実には難しい」

 と、米メディアは分析している。

 ゴルフは個人競技という特性から、チームで戦うスポーツのようにツアーの作ったルールに強制力を持たせるのは難しいが、まだ米国では感染者が増え続けている。選手一人一人の努力を願うしかない。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年7月7・14日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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