トッププレーヤー4人のスキンズマッチが、ソーシャルディスタンスを守って開催

観客もキャディもなし、ハイタッチ禁止など、再開後のツアーのテストケースともいえるイベントとなった 写真・Getty Images
観客もキャディもなし、ハイタッチ禁止など、再開後のツアーのテストケースともいえるイベントとなった 写真・Getty Images 【拡大】
 5月17日、フロリダ州でローリー・マキロイ、ダスティン・ジョンソン組とリッキー・ファウラー、マシュー・ウルフ組によるスキンズマッチが開催された。3月にツアーが中断して以来約2カ月ぶりのトッププロによるチャリティイベントは、ツアー再開に向けての大きな一歩となった。

 最も大きな収穫は“ソーシャルディスタンス”を維持しながらプレーができたことだろう。キャディをつけず選手自らバッグを担いでのラウンドはツアーと異なる状況ではあったが、米PGAツアーの担当者が一人帯同することで、撤去されていたバンカーレーキだけでなく、選手はフラッグに触れることもなかった。

 この日、テレビ中継のためにNBCが準備したカメラは、安全を考えて6台だけだった。プレーするのは1組だけなので、十分ではないかという気もするが、ソーシャルディスタンスを取りながらのカメラワークには戸惑いもあったようで、決して満足のいくものではないと番組内で話していた。現地からのリポートは二人が担当し、実況と解説は自宅やスタジオからのリモート出演だった。各選手がマイクをつけてプレーすることで、互いを牽制する舌戦を披露、ファンを楽しませる演出がされていた。

 もちろん、約2カ月ぶりの実戦とあって、選手たちのプレーぶりにも注目が集まった。

 ジョンソンは、ドライバーもアイアンも安定感を欠き、キーポイントでのパットを決めることもできなかった。ウルフは、序盤は緊張している様子も見られたが、後半は自分のショットを取り戻した。ファウラーは、このコースでのプロアマ戦で3回優勝しておりコースを熟知、安定したショットを見せた。マキロイも序盤はショートゲームに苦戦する場面もあったが、世界ランキング1位らしいプレーを取り戻した。

 チャリティ基金は、視聴者からの寄付も多く集まり、予想をはるかに上回る総額550万ドルに達したという。

 そして、何よりゴルフファンを魅了したのは開催コースのセミノールゴルフクラブの美しさだ。1929年に設立された大西洋を望むリンクスコースはドナルド・ロスの設計によるもの。ドワイト・デビッド・アイゼンハワー氏やジョン・F・ケネディ氏ら歴代大統領のお気に入りとして知られ、オーガスタナショナルゴルフクラブやサイプレスポイントクラブに並ぶ厳格なプライベートクラブだ。これまでテレビで紹介されることがなかったことから、多くの人が初めてその姿を目にした。

 ツアー再開は6月11日のチャールズ・シュワブチャレンジの予定。今回のイベントから得た多くのことをどう生かすのか、注目したい。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年6月9・16日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。 2011年、LPGAグローバルメディア賞を受賞。世界ゴルフ殿堂の選考委員も務める。

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