続行→無観客→中止、プレーヤーズ選手権の目まぐるしい2日間

米PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏がたびたび記者会見を開催した 写真・Getty Images
米PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏がたびたび記者会見を開催した 写真・Getty Images 【拡大】
 中国、日本、そしてイタリアと感染が拡大していった新型コロナウイルスは、米国内でもあっという間に広がった。米PGAツアーはプレーヤーズ選手権開催中に、「続行」から「無観客試合」、そして「開催中止」と、目まぐるしく方針転換、コミッショナーのジェイ・モナハン氏は何度も会見に立った。

 開催週の火曜日、会場は平穏な一日だった。夕方には名物ホールの17番で人気バンド「ザ・チェインスモーカーズ」のライブが開かれ、若者で埋め尽くされた。これだけ人が集まってもここは安全、そんな空気だった。モナハン氏は、この日の会見で「ツアーはスケジュールどおりに続ける」と、明言していた。

 翌日、クラブハウスでは来年の世界ゴルフ殿堂の最終選考が行われ、世界のゴルフ団体のトップが集まっていた。その中の一人、米LPGAツアーのコミッショナー、マイケル・ワン氏も、このときは「米国本土で開催されるLPGAツアーは予定どおり。ゴルフは屋外だから人との距離も十分あるし大丈夫」と、自信を持っていた。

 夜になると、プロバスケットボールのNBAが、選手に感染者が出たためシーズンを中断することを発表、続いて、米国が英国、アイルランドを除く欧州からの入国を制限することが発表され、国内は一気に不穏な雰囲気に。それでも深夜には選手に「第1ラウンドは予定どおり行うのでコースに向かうように」とメールが送られ、メディアには「12時からモナハン会長が会見を開く」と、知らせが入った。

 そして木曜日、無事に初日を迎えたが、モナハン氏は会見で「2日目以降と、翌週から3試合は無観客試合とする」と発表した。大統領のドナルド・トランプ氏と電話で話し、アメリカ疾病予防管理センターに確認を取っての決定だった。

 この日、63のコースレコードタイをマークし、暫定首位でホールアウトした松山英樹は、「無観客は残念だが、試合がなくなるよりはいい」と話したが、10時間後にはその決定も覆る。

 夕方、米LPGAツアーがANAインスピレーションを含む翌週からの3大会の延期を発表すると、米PGAツアーは22時に2日目以降と翌週から4試合の中止を発表。その直前に選手たちには伝えられたが、すでに就寝していて、起きてから知った選手もいた。

 翌日8時、再びコースでモナハン氏が会見を開いた。

「最終的に中止を決断したのは、選手たちの不安の声、そして近くにあるディズニーワールドなどが閉園されたことが決定的だった」

 そして10時に、オーガスタナショナルGCから「マスターズ延期」の知らせが届いた。たった2日間で激変した米国ゴルフ界、いつか再び訪れる平和な日々を待つしかない。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年4月7日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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