キャリアグランドスラムに向け、ミケルソンは全米オープンの出場権を死守できるか!?

ミケルソンのグランドスラム達成に残るタイトルは全米オープンだけ。まずは出場権を得るため世界ランキング60位以内を死守したい 写真・Getty Images
ミケルソンのグランドスラム達成に残るタイトルは全米オープンだけ。まずは出場権を得るため世界ランキング60位以内を死守したい 写真・Getty Images 【拡大】
 フィル・ミケルソンが、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだAT&Tペビルビーチプロアマを3位で終了した。前週のヨーロピアンツアー、サウジインターナショナルに続く2週連続のトップ3に、

「この2週間は、これまでやってきたことが正しいと分かった。今後の大きなモチベーションになる」

 と、復調に自信を見せた。

 ミケルソンは49歳になった今も米PGAツアーで人気が高い。いつもたくさんのファンに囲まれ、成績や発言に注目が集まる。

 昨年はこのペブルビーチプロアマの後、優勝がなく、夏には全英オープンも含め3大会連続予選落ちもあり、スランプがささやかれたミケルソン。実はこの間に10日間の絶食と体幹を鍛えるトレーニングを開始、9月の新シーズンには約7キロを落としたすっきりした体で登場、「あのフィルがトレーニングする時代になった!!」と、タイガー・ウッズをも驚かせた。

 しかし、決死の肉体改造も成績にはつながらず、世界ランキングは下降の一途。11月には26年維持してきた50位以内から陥落すると、とうとう1月末には86位まで下降した。これは、ミケルソンが目指すキャリアグランドスラムに黄信号が灯(とも)る事態である。

 ミケルソンの悲願達成に向け、残るはこの全米オープンのタイトルのみ。そして、全米オープンの出場資格は世界ランキング60位までだ。この順位のままでは今年の全米オープンの出場権は得られない。

 ミケルソンは全米オープンで過去に6回も2位になっている。そして今年の開催コース、ウイングドフットGCでの2006年も2位だ。もし、出場資格を得られなければ、主催のUSGAはミケルソンを特別招待するだろうとささやかれた。資格のない選手を招待するのは慣習としてよくあることで、アーニー・エルスは過去2回、ジャック・ニクラスも8回の招待を受けている。だがミケルソンは、

「特別招待は受けない。もし自力で資格を得られなかったら、予選会から挑戦する」

 と、宣言した。そして、ペブルビーチプロアマの3位で、ミケルソンの世界ランキングは55位までアップした。

 今季のミケルソンの飛距離は若手と遜色ないが、フェアウェイキープ率が不安定だ。しかし、ペブルビーチプロアマでは、3日目にチップインを2回決めるなど、本来得意とするアプローチが冴(さ)えた。予選ラウンドが同組だったブラント・スネデカーも「今のフィルのスイングは素晴らしい。優勝争いできない理由がない」と、復活に太鼓判を押した。

「自分のキャリアでベストなゴルフはこれからだ」と、全米オープン開催直前の6月16日に50歳を迎えるミケルソン。グランドスラム達成に向け大きな前進だ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2020年3月3日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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