欧州女子ツアーが米LPGAツアーと提携、下部ツアーのような位置づけに!?

カルロタ・シガンダはロレックスランキング14位。今季LETへの出場はエビアン選手権とAIG全英女子オープンのほか、優勝した地元・スペインの試合のみ。それでも同ツアーの賞金ランキングは9位だ(10月28日現在) 写真・Getty Images
カルロタ・シガンダはロレックスランキング14位。今季LETへの出場はエビアン選手権とAIG全英女子オープンのほか、優勝した地元・スペインの試合のみ。それでも同ツアーの賞金ランキングは9位だ(10月28日現在) 写真・Getty Images 【拡大】
 現在、シーズン終盤のアジアシリーズとして、中国、韓国、台湾を転戦し、今週は日本でTOTOジャパンクラシックを開催する米LPGAツアーだが、欧州女子ツアー(Ladies EuropeanTour・以下、LET)と本格的にパートナーシップを組むことを、現在検討中だという。パートナーシップとはいうものの、実質的にはLETが米LPGAツアーの傘下に入ることになる。

 今年、LETは20大会が開催されているが、賞金総額は約1400万ドルだ。しかし、これには米LPGAツアーのメジャーでもある、エビアン選手権とAIG全英女子オープンも含まれているため、残りの18大会でその半分だという。中には優勝賞金が1万5000ドルという大会もある。

「LETを主戦場にするプロたちは賞金だけでは生計を立てるのが難しく、多くの選手がレッスンやプロアマ戦などの仕事を掛け持ちしなければならないのが現状」(新理事長のマルタ・フィグエラドッティ氏)

 となると、LETのトップ選手たちが米LPGAツアーを目指すのは当然の流れだ。欧州諸国の選手は、アジア人たちに比べて米国との言葉や習慣の差が少ないことも、米LPGAツアーに軸足を移す動きに拍車を掛けている。プロを目指す選手たちは、学生時代から米国で腕を磨くことが主流となっているのだ。

 その結果、ツアーのレベルは低下し、人気は低迷、ますますスポンサーは集まらない……と負の連鎖に陥っている。試合によってはギャラリーも少ないためローピングも施されないなど、よくいえば“アットホーム”で“牧歌的”だが、寂しさも否めない状況だ。

 9月のソルハイムカップのときにLETと米LPGAのミーティングが行われ、まず検討されたのは、LETの上位選手に翌年の米LPGAツアー出場権を与える、という形。つまり、LETは米LPGAツアーの下部ツアーに位置づけされるともいえる。1978年設立以来保ってきた独立性を失うことは、苦渋の決断だ。今後、11月末にLETの選手への説明会が開かれる予定だという。

「欧州をベースで戦う選手にとって、世界で戦う道が開けることは大きな意味がある。選手層が厚くなる」(フィグエラドッティ氏)

 もっと長い目で見れば、2者の提携により、現在米LPGAツアーを主戦場としている、英国出身のジョージア・ホールやスペイン出身のカルロタ・シガンダといった選手がLETの試合に出場しやすくなったり、2010年に米LPGAツアーのスポンサーが大量に降りたところから復活させた、会長のマイケル・ワン氏の手腕が発揮され、よりグローバルなツアーへの発展も期待できる。相変わらず韓国人選手が強さを見せている米LPGAツアー勢力図も、変わるかもしれない。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2019年11月19日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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