人気マンガ原作者・大原一歩が見た ZOZOチャンピオンシップ

週刊パーゴルフで連載中の漫画「千里の旅・翔の道」の主人公・坂本翔は、現在ペブルビーチで全米オープンに挑んでいる。

その原作執筆に日々いそしんでいる私の耳に、ビッグニュースが飛び込んできた。米ツアーが日本にやってくるというのだ! これを見逃しては一生の悔いになる。取るものも取りあえず、私は習志野に急行した。

想像はしていたものの、コース全体にみなぎる興奮はそれをはるかに越えていた。ギャラリーは誰もかれもが頬を紅潮させ、満面の笑みをたたえている。
たまたまロープ越しにタイガーにタッチできた女性ファンは、「もう手を洗えないわ!」と少女のようにはしゃいでいた。

月曜日、国内では珍しいスキンズマッチが行われた。
タイガー、マキロイ、デイ、松山の4人が1ホール2万ドルの賞金を奪い合う試合形式。渋野、有村、笠の仲良し女子プロ3人組も、彼らのプレーを心から楽しんでいた。

木曜日。いきなり1万8000人超のギャラリーが会場を訪れた。
コースのあちこちから歓声が上がり拍手が起きる。そんな中、なんといっても素晴らしかったのは出だし3連続ボギーの後「フリップ(ひっくり返)した」と本人が言う通り6アンダーのトップでホールアウトしたタイガー。主役が主役として振る舞ってくれたおかげで、大会はこれ以上ない贅沢な滑り出しとなった。

ところで今年から変更されたルールのひとつに、パッティングのときピンを差したままで構わないというのがある。私は7番グリーンで13組39人を見たが、ほとんどの選手が従来通りピンを抜いていた。差したままだったのはアダム・スコットら、わずかに3人だけだった。

金曜日は記録的大雨。コースに濁流が走り、身の危険さえ感じる一日になった。
国内ツアーなら中止となり3日間競技に短縮されそうなところだが、PGAツアーのゲーリー・ヤング氏は「中止ではなく順延」と発表した。
また、土曜日はギャラリーゾーンの足場が不安定なため無観客試合と決定された。加えて、予備日の月曜を使ってでも72ホール完遂するという。PGAの強い意志に揺るぎはなかった。

とはいえ、そうした大会運営が可能になったのは、130名のスタッフによる懸命の復旧作業があったおかげである。

日曜日、待ちに待ったギャラリーがコースにあふれかえった。その数2万2678人。
早朝6時半からスタートしたタイガーが、この日も主役。嵐のような拍手と歓声を一身に浴びながら第3ラウンドの18ホールを回り、続いて真っ赤な勝負服に着替えて最終ラウンドに突入したのは午後2時。日没サスペンデッドとなった11番までトップを走り続けた。

翌月曜日、残る7ホールを戦ったタイガーは、2位の松山に3打差の19アンダーで完全優勝を遂げた。それは、サム・スニードの持つ米ツアー最多勝利記録と肩を並べる82勝目であった。
そんなタイガーを支えたもうひとつのモチベーションは、東京オリンピック出場権をつかみたいというものだったに違いない。来年は霞が関とZOZOで、タイガーに二度会えるかもしれない。

出場選手78人中メジャーチャンピオンが15名。賞金総額975万ドル(約10億7250万円)、優勝賞金175万ドル(役1億9250万円)。訪れたギャラリー総数約4万5000人。
何もかもが桁外れだったZOZOチャンピオンシップ。この大会が少なくとも6年は継続することが約束されている。

米ツアーならではのお祭りムードと真剣モードのカクテルに酔いしれた一週間と一日。
その豊かな味わいを、「千里の旅・翔の道」にも注ぎ込んでいく所存です。今後ともご愛読よろしく願いします。

大原一歩

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