インストラクター界のオピニオンリーダー、三觜喜一(前編)

2017年9月26日、都内で開催された日本ゴルフジャーナリスト協会主催のタウンミーティングから=右端が三觜
2017年9月26日、都内で開催された日本ゴルフジャーナリスト協会主催のタウンミーティングから=右端が三觜 【拡大】
本物の論客がゴルフインストラクターの世界にもいる。PGAティーチングプロA級の資格を持ち、ツアープロコーチとしても活躍している三觜喜一(みつはし・よしかず)がその人だ。3月下旬に行われたTポイント×ENEOSゴルフトーナメントのインターネット中継では、解説席で日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長と大激論を交わし話題となった。その三觜に、本音を聞いた。
(日本ゴルフジャーナリスト協会会長代行・小川朗)

LPGA小林会長と大激論

「小学生が平日、学校も行かずにドライビングレンジで練習している。僕はこれが一番の問題だと思うんです」。
いきなり辛口の「ゴルフ界批判」が飛び出したのは、東京・新宿御苑近くの喫茶店だった。辻梨恵ら、多くのプロ選手を育てている三觜は今、ゴルフ界における問題点を厳しく指摘する「ご意見番」的な存在にもなっている。
見せてくれたのは、あるジュニア選手の練習風景。すでに世界ジュニア選手権にも参加している強豪選手だが、打席の前後から大人2人が手取り足取りでスイングを指導している。
問題はこの練習が平日の、しかも午前中に行われていることだ。普通の小学生なら、教室で授業を受けている時間帯。このジュニアゴルファーは、三觜の門下生ではない。仮に家族が許したにせよ、この小学生が今、教室で勉強する機会を奪われているのは事実だ。
「プロになることが大義名分で、プロになれなかったらゴルフをやめる、というのは間違っている。プロになれるのはほんの一握り。稼げるのはその中の一握り。そんな博打のようなことを、子供のうちからやる必要はありません。たとえプロになれなくても、マナーやルールを身につけて、ゴルフを通して人間形成をして、将来に役立てるのが大事だと思っています」
ジュニアゴルファーの親たちの成績至上主義は、もう随分前から問題視されてきた。三觜はそうした問題点から目をそらさず、メディアやタウンミーティングなどで、ことあるごとに訴えてきた。(写真は2017年9月26日、都内で開催された日本ゴルフジャーナリスト協会主催のタウンミーティングから=右端が三觜)
写真にあるタウンミーティングに参加した指導者から明らかにされたのは、スコアが悪いと親から殴られる子がいるという衝撃の実態。ジュニアの世界では以前から本物のスコアカードに加え、親に渡すための偽造したスコアカードも書くジュニアの存在すら指摘されていた。スコアが悪いと殴られるからだ。
ゴルフをする子ども自身と保護者の大きな温度差。そうした問題を改善するため、三觜は「保護者と月に一度はミーティングを行い、親と子のモチベーションをフラットに保ち、指導には介入しないようにお願いしている」と解説した。
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)にも、遠慮はない。
「ひんぱんに制度改革を行っていますが、自分たちや協会員さえ良ければいいという風にしか見えない。門戸を開いてより強い人材を入れるべきなのに、その逆をしています。LPGAのライセンスを持ってない人間が同じギャラをもらっているのが許せない、という発想です。その点をTポイントのインターネット中継の解説席で小林会長にぶつけたら、大激論になりました。ご覧になっていた方々からは概ね『三觜よく言った』という反応をいただきましたが、LPGAの一部の人には面白くなかったでしょうね」(三觜)
 どんな相手でも、正論を吐く。「組織の方々とはできるだけ仲良くしないようにしています。俯瞰的にものを見られなくなりますから」が持論の三觜。体制側におもねることなく、問題点にズバズバ斬り込む良識派のインストラクターの少年期はどうだったのか。原点は少年漫画の「プロゴルファー猿」だという。(つづく)

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