今の松山英樹に一番必要なものは、メジャーにピークを合わせる調整力

松山英樹が悲願のメジャー制覇を達成するためには、メジャーにピークを合わせる調整力が必要だ 写真・岩本芳弘
松山英樹が悲願のメジャー制覇を達成するためには、メジャーにピークを合わせる調整力が必要だ 写真・岩本芳弘 【拡大】
 通算3アンダー、285で32位タイ。松山英樹の8度目のマスターズの結果だ。

 4大メジャーの中でも、特にマスターズ制覇を最大の目標に掲げている松山は、

「また1年、待たなければならない」

 と、戦いを終えて悔しさばかりが込み上げる胸中を語った。

 歴史的な復活優勝を果たしたタイガー・ウッズと松山のスコアは、ちょうど10打差。二人の差がどこにあったのかを考えてみると、やはり調整がうまくいったかどうかに尽きるだろう。

 開幕前週の日曜日、日没間近のコースにウッズと松山の姿があった。この日の午前中はジュニアの『ドライブ・チップ&パット』大会が開催されコースはクローズしており、選手たちは午後から練習ラウンドができるようになっていた。

 ウッズは、例年、日曜日にはコースに姿を見せないのが常だが、翌日から天候が崩れる予報だったからか、17時前にコースに現れた。誰もいなくなった静かなコースをウェッジとパターだけを持って歩き、ティショットは打たず、グリーン周りとグリーン上だけを何度も確認していたという。コースを知り尽くしたウッズだからこそ、ショートゲームで大きく差の出るコースコンディションだけはどうしても確認したかったのだろう。

 一方松山は、午後、1番ホールから一人でスタート、その後練習場でショットを打ち続けていた。

 松山は年明けからマスターズに向けてショット、パットの調整を繰り返してきた。「もう時間がない。どうにかしないと」と焦る言葉が何度かあふれたこともある中、3月に入ると懸案だったドライバーショットの調子を取り戻しつつあった。しかし前週に取ったオフに風邪をひき、開幕前には体調は整ったものの、戻っていたはずのショットの手応えはなくなってしまった。

「年明けから3カ月、うまくいっていたものが、練習ラウンドでズレが出ていた。ここでショットが悪くなったのは何か原因があると思うので、それをゆっくり考えて次のメジャーではないようにしたい」

 全盛期のウッズはメジャーで勝つことを毎年の目標に掲げていたが、それは今も変わらない。もちろん、調整がうまくいかずに前週にばかり勝利したシーズンもある。

 次のメジャーは今年から5月開幕となった全米プロゴルフ選手権。最近はメジャー前週をオフに充てている松山だが、今回はAT&Tバイロン・ネルソン選手権に出場し、連戦の予定だ。もし、松山が調整に成功しピークを合わせることができれば、メジャーに勝つ力は十分にある。ピークを合わせるのは容易ではないが、連戦でメジャーを迎える選択も、今の松山には悪くないのではないだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2019年5月21日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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