ツアー2年目、不振にあえぐ小平智が、ブレない信念を胸に現状を楽しんでいる

成績は振るわないが、最高の舞台をつらさも含めて楽しんでいる、という小平 写真・Getty Images
成績は振るわないが、最高の舞台をつらさも含めて楽しんでいる、という小平 写真・Getty Images 【拡大】
 昨年4月のマスターズの翌週、RBCヘリテージで小平智が米PGAツアー初優勝を遂げてから間もなく1年を迎える。

 今季はザ・プレーヤーズ選手権まで11試合に出場し最終日まで戦ったのは6回、うち4試合は予選落ちがないから、予選通過は実質2試合だ。

「こちらに来てから成績を残せず苦労していると日本の人は思っているだろうし、成績だけ見たらそうかもしれないけど、ボクはつらいとはあまり思っていません。どちらかといえば楽しみのほうが多いんですよ。

 米PGAツアーは、面白いんですよ。好きなことをやっているし、最高の舞台です。ゴルフをやる環境はここがナンバーワン。いうことはないです。あとは自分次第」

 と、小平本人を直撃すると思いの外、元気だ。その理由は、

「今ある自分のゴルフを何も変えずに戦っていく。飛距離を求めてスイングを変えることはしない」

 という信念は揺らいでいないからだ。

「これから身長が180センチになるわけでも、体重が100キロになるわけでもない。“勝手に飛距離が伸びる”のはいいけど、ゴルフの根本的なことは変えません。急激に変わることはないのだから、いいところを伸ばして、全体的に底上げをするだけです」

 スイングは変えなくても、“勝手に飛距離が伸びる”ことを狙いトレーニングは行っている。例えば、ザ・プレーヤーズ選手権の前週のオフウィークは、フロリダ州オーランドの自宅で、野球のバットを使い、フルスイングとトスバッティング50球を、7セット繰り返したという。

「瞬発系の動きがよくなるからやってみたら、とキャディの大溝(雅教)さんに勧められました。どうせなら楽しみながら練習したい。こういうトレーニングだったら続けられるかなと」

 というのも、スタッツを見るとティショットの飛距離不足を安定性で補ってはいるが、パーオン率にも影響が出ているからだ。

「こちらではパー4も490ヤードなんてザラで、300ヤード台はほとんどない。あっても1オン狙いや池が絡んでいます。2打目がだいたい200ヤード前後になるから、常に気が抜けません。長いとやっぱりバーディチャンスにつく確率が少なくなります」

 小平がコンスタントに成績を残すカギは、ロングアイアンの精度だろう。

「シード権は来年までだから、まだ余裕があります。つらい時期もないと楽しくないと思うので、つらさも含めて今は楽しんでいます。みんなには心配かけているけど、来シーズンにはきちんと成績が残せるようにしたい。この状況を抜けられれば、成長できるはずです」

 つらさも楽しむ、小平のこれからががぜん楽しみになってきた。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2019年4月9日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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