16歳のアマチュア、ルーシー・リーがアップルウォッチのCMに出演したが……

中国系米国人であるリーは、米国のみならずアジア圏でのゴルフ人口拡大のアイコンとして、世界のゴルフ界から期待されている 写真・Getty Images
中国系米国人であるリーは、米国のみならずアジア圏でのゴルフ人口拡大のアイコンとして、世界のゴルフ界から期待されている 写真・Getty Images 【拡大】
 年末から全米で放送されたアップル社のアップルウォッチのCMへの出演で、16歳の中国系米国人のアマチュア選手、ルーシー・リーのアマチュア資格が問われた。

 カリフォルニア州のサンフランシスコ郊外で生まれたリーは、2014年、11歳のときに史上最年少で全米女子オープンの予選会を突破し、注目を集めた。

 CMは、仲間とともにスポーツやパーティを楽しみ、パワフルなゴルフスイングも披露するリーの姿がポップに描かれている。ゴルフがとてもカッコイイものに見える演出だ。

 移民大国でもある米国社会にとってリーは象徴的な存在。多大な影響力が期待できた。

 アマチュア資格規則には、「ゴルフの手腕や名声のあるアマチュアゴルファーは、直接的であろうと間接的であろうと、支払い、報酬や私的な便宜を受けたり、金銭的利益を得るためにその手腕や名声を利用してはならない。

(1)どのようなものであってもその宣伝、広告、販売をすること

(2)どのようなものであってもその宣伝、広告、販売のために第三者によって自分の氏名や肖像が利用されることを許可すること」

 とある。これに違反するのではないかとして、CMの放映は中止された。リーは報酬は受け取っていないというが、明らかに抵触しており、

「アマチュア資格剥奪もある」(USGA)

 と、裁定に注目が集まった。

 6週間にわたる調査の結果、USGAは、

「比較的重大ではなく、今回が初めての違反である」(USGA)

 と、“厳重注意”として処分、リーは今後もアマチュアとして活動を続けられることになった。リーは、

「このような事態に発展させるつもりはまったくなかった。深く謝罪し、USGAの寛大な処置にとても感謝します。これからもアマチュアとしてゴルフに貢献していきたい」

 このUSGAの裁定には大きな苦悩があった。今年4月にオーガスタナショナルGCで、初の女子の大会となるオーガスタナショナル女子アマチュア選手権が開催される。リーは活躍が期待される選手の一人だ。14年、同コースで開催された第1回ドライブ&チップ選手権の10-11歳の部で優勝し、同クラブとのかかわりも深い。それ故に「処置が寛大すぎる」と、批判の声も上がっている。

 さらに同時期に、アメリカンフットボールの元人気選手、トニー・ロモの、ゴルフシューズのコマーシャルへの出演も指摘された。引退後ゴルフに打ち込んだロモはハンディ+0.3。昨年は米PGAツアーにも出場した。しかし、

「ロモの知名度はアメリカンフットボール選手としてのもので、ゴルフによるわけではない」(USGA)

 と、こちらも処分なしに終わっている。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2019年3月12日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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