小祝さくらが毎日やり続ける“連続素振り”の意味と効果

ハワイ合宿中、ホアカレイカントリークラブでラウンドする小祝さくら(撮影・村上航)
ハワイ合宿中、ホアカレイカントリークラブでラウンドする小祝さくら(撮影・村上航) 【拡大】
昨シーズン、小祝さくらはトップ10フィニッシュが年間13回で賞金ランキング8位。

いつもポワンとした印象で、ギラついた闘志を前面に押し出すことはない。しかし、内に秘める勝利へのこだわりが誰よりも強いことは、昨シーズンの成績が示している。

勝利へのこだわりは、豊富な練習量にも表れている。

「さくらには、移動日がお休みだというという意識がありません。試合が終わって自宅に帰ってきたら、スグに練習。そして翌日も早朝から球を打ちます。おかげで私も、休みなしです」と、話すのはコーチを務める辻村明志。

ほとんどのツアープロは日曜日に試合が終われば、その日の内に自宅へ帰る。そして翌月曜日の夕方まで休息を取って、次の会場へ移動する。3日間の試合が多い女子プロの場合は、月曜日を完全休息日にあて、火曜日に移動するケースも少なくない。

だが小祝は、日曜日に自宅へ帰るやいなや、夜遅くまでひたすら素振りをする。それも全力で振る素振りだ。全力で15回振ったら、1球打つ。それを10回セット行うのが日々の日課だが、試合で納得のいかないショットがあれば夜遅くまで全力素振りをやり続けているという。

「全力で振るので、かなり体にはきついです。息が上がっても振り続けることで、コースで緊張する場面になっても普段どおり振れるようになります」と、小祝。

たかが素振りと侮るなかれ。ひと振りをひと呼吸で行い全力で連続15回も振れば、100メートルを10回連続で走るくらい息が上がるという。それをひたすら続けられるのは、相当鍛え上げられている証拠だ。

「息が上がっても振り続けることで、ひと呼吸ひと振りのリズムが生まれて余計なリキミがなくなります。腕だけの力では振り続けることはできません。体を使って振ることになり、自然と体幹が鍛えられます。さくらの練習の基礎がこの連続素振りです」と、辻村は説明する。

このオフのハワイ合宿でも、黙々と全力連続素振りを行う小祝の姿があった。1年以上も、日々このドリルを行っているのに飽きは来ないのだろうか?

「テーマを持ってやっているので、飽きるということはありません。私の今のテーマは、インパクトで突っ込まないことです」と、小祝。

確かにダウンスイングからインパクトにかけて左サイドに突っ込んでいたら、連続で振り続けることはできない。全力連続素振りで、ムダな動きがなくなるということだ。

「さくらは球をつかまえたいという気持ちが前に出すぎて、アドレスで左サイドがかぶるクセがあります。ミスが出ているときは、必ずといっていいほど左がかぶったアドレスになっていました。全力で連続素振りを行うことで、この悪いクセも矯正できています」と、辻村。

そして、われわれアマチュアにアドバイスをくれた。

「スライスに悩んでいるとさくらと同じように、左サイドをかぶせて構えてボールをつかまえにいきたくなります。これは逆効果の場合が少なくありません。ヘッドが外から下りてきて、カット軌道のコスリ球が出やすくなります。
体の正面でヘッドを下ろしたら、体重配分は左右5対5のまま、右股関節を入れて構えてください。上体を少しだけ右に乗せるイメージです。分かりにくければ、ヘッドを下ろしたら右足を軽く上げて下ろしてください。右股関節が自然に入ります。
ボールを見るのではなく、ヘッドのクラウン後方を見るようにするのもいいですね。右サイドに意識がいき、左サイドのかぶりが解消されます」(辻村)

小祝にも、同様にアドバスをしているという。
ボールをつかまえたいという意識が強く前に出ると、左サイドがかぶったアドレスになる。小祝もミスするときは、その悪いクセが出ていた。「アドレスで右股関節に体重を感じながらヘッドのクラウン後方に目を向けると、左サイドのかぶりが直ります」と、辻村
ボールをつかまえたいという意識が強く前に出ると、左サイドがかぶったアドレスになる。小祝もミスするときは、その悪いクセが出ていた。「アドレスで右股関節に体重を感じながらヘッドのクラウン後方に目を向けると、左サイドのかぶりが直ります」と、辻村 【拡大】
さて、いよいよ3月7日から今季の女子ツアーが開幕する。開幕戦のダイキンオーキッドレディスを前に、小祝に意気込みを聞いた。

「昨シーズンは同級生の勝みなみちゃんや新垣比菜ちゃんたちが、優勝という結果をしっかり残しました。私も頑張ってついて行かなくちゃ、と思っています。まずはシーズン前半でシードを決めて、じっくり初優勝を目指します」

と、シャイな彼女らしい謙虚な答えが返ってきた。だがそう話す目の奥には、活躍する同級生たちに負けたくないという決意と覚悟が見えている。小祝の開幕ダッシュを確信するに十分な表情だった。

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