上田桃子の新境地「ブレないスイングがブレない気持ちをつくる」

(撮影・村上航)
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昨シーズン、未勝利に終わった上田桃子。

「地元熊本の試合だ。絶対に勝つぞ」と、強い気持ちで臨んだKKT杯バンテリンレディスカップでは予選落ち。一昨年にプレーオフで敗れている試合だけに、気合いの入り方は半端じゃなかった。

バンテリン同様に気合いを入れた試合では、ことごとく思うような結果が残せなかった。日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯、予選落ち。日本女子オープン、51位タイ。

とはいえ、調子のいい試合もあった。ヨネックスレディスゴルフトーナメント2位タイ、TOTOジャパンクラシック2位タイ。

だが、「勝ちきれなかった」という声もあった。周囲からメンタルの未熟さをいわれたりもしたという。もちろん2位で喜ぶような上田もいない。

ふがいない自分を振り返り、「心を支えるのは技術だ」と、上田は自らを追い込んできた。

上田をジュニア時代に坂田塾で教えた坂田信弘はいう。「負けたくないという気持ちが強い子だった。21時までの練習で21時30分までやる者がいれば、21時31分までやる。目の前の者に負けたくないという気持ちが、子どものころから練習量に表れていた」と。

そんなふうにいつも自分を追い込んでいた上田だったが、変化があった。それを感じたのは、このオフのハワイ合宿だ。上田がいうとおり、技術が心を支えたのだろうと想像する。周囲のライバルに向けていた闘争心を自分自身に向けるようになっていた。

「確かに以前は勝利に対してギラついていました。今だって優勝したいという気持ちは、もちろんあります。通算13勝(海外を含む)が14勝になれば、うれしいはうれしい。だけど今、何にモチベーションを感じるかといえば、充実度合いなんです。メンタルとスキルとフィジカル、心技体、スキのない自分を見てみたい。スキのない自分をつくれたとき、勝てる自分がそこにいると思うんです」

ハワイ合宿の合間に。アラモアナビーチパークにて (撮影・村上航)
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そう話す上田の視線の先にあるのは、敵ではなく自分自身の充実。

「気持ちのブレはスイングのブレにつながります。逆にいえばスイングのブレは、気持ちのブレにつながるということ。ブレないスイングをつくります。それがブレる心を支える技術になるのだと思います」

上田の目には、覚悟と確信が宿っていた。そして次のようにもいっていた。

「ゴルフには、これでできたっていう終点がない。いつもその先がある。だから飽きるということがないんです」

この言葉を聞いたとき、今シーズンの上田桃子の充実度、そして活躍が見えた気がした。たった一つのミスで崩れていったこれまでの上田とは、ひと味もふた味も違う“強い桃子”が見えた気がした。

3月7日から沖縄で開催されるダイキンオーキッドレディスで、今年の女子ツアーは開幕する。上田の力強いショットが楽しみで仕方がない。

1月15日から約1カ月、上田はハワイで合宿を行った。一緒に練習をするのは、上田と同じく辻村明志とコーチ契約をする女子プロ3人。手前から永井花奈、上田、山村彩恵、小祝さくら。「一緒にトレーニングをして、ご飯も食べる。アドバイスを送ることもあるけど、仲よしグループじゃありません。仲よしグループでいたら、私自身も後輩たちも弱くなる。いつだって“まだ負けないよ”って気持ちでいます」と、上田(撮影・村上航)
1月15日から約1カ月、上田はハワイで合宿を行った。一緒に練習をするのは、上田と同じく辻村明志とコーチ契約をする女子プロ3人。手前から永井花奈、上田、山村彩恵、小祝さくら。「一緒にトレーニングをして、ご飯も食べる。アドバイスを送ることもあるけど、仲よしグループじゃありません。仲よしグループでいたら、私自身も後輩たちも弱くなる。いつだって“まだ負けないよ”って気持ちでいます」と、上田(撮影・村上航) 【拡大】
取材/文・河合昌浩

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