宮里藍世代の藤田さいきが語る 黄金世代の強さのヒミツ

12年続いたシード権を喪失した藤田さいき。昨年末、地元栃木で開催したコンペでは、「優勝して帰ってくる」と誓った
12年続いたシード権を喪失した藤田さいき。昨年末、地元栃木で開催したコンペでは、「優勝して帰ってくる」と誓った 【拡大】
2018年の日本女子ツアーは勝みなみ、小祝さくら、新垣比菜ら、黄金世代の活躍が目立った。その一方で、ベテランを中心に多くの選手が賞金シードから弾き出された。その中の一人、33歳の藤田さいきは、継続中では日本勢最長だった12年連続で守ってきたシード権を手放した。干支がひと回りする間、ツアーの一線で戦ってきたが、黄金世代の活躍は「新しい時代」という。世代交代の象徴ともいえる藤田のシード喪失。新しい時代という真意、そして自身の再起について藤田本人が語った。

宮里藍と同学年の藤田は、2005年に19歳でプロ転向し、翌06年の「プロミスレディス」でツアー初優勝を遂げて、初シードを獲得。以後、11年の「日本女子プロゴルフ選手権」を含む通算5勝を挙げている。すでにベテランの域に達している藤田は、黄金世代の強さをこう分析する。

「今の若い子って、道具の進化もあって曲がらない。とにかく曲がらない。私たちの年代の攻め方とかゴルフに対する考え方が違うと思います」

藤田は今のような大型ヘッドではなく小ぶりのヘッドでゴルフを覚えた。風向きやボールのライ、ホールやグリーンの形状など、5つぐらいのことを考慮して、ドローやフェード、高低、スピン量の増減と球筋を打ち分けるスタイルができあがり、ここまで戦ってきた。しかし、若い世代で上位に入る選手は「1個の打ち方に絞っているから、1打に対して集中できるから強いと思う。狭いところでも簡単に真っすぐ打つ。私の中では、いろんな経験や技術を考えたときにその攻め方はワケがわからなかったですね。タイプが違うからマネしても私は曲げて失敗します」

ピンの狙い方も違う。藤田はボールを曲げてピンを狙うが、若い世代は直線的にピンを狙う。若い世代の攻め方は玄人が見たらピンばっかり狙って何も考えていないように感じるかも知れない。「逆にいえば、真っすぐ打つことだけを考えて、余計なことをしないからうまくいく」。曲げてグリーンを外した時の考え方も新しい。「ボギーでいいと割り切っている。バーディを取れるからいいやと考えているように見えます」。曲がらないゴルフスタイルだけでなく、すべてのことにギャップを感じた。「1つのことをやりきる、という意識が強い。そして引きづらないのが黄金世代だなと思うんです」

若い世代の強さを、ただ指をくわえて見ているだけではない。「私たちが出た時もそうだったと思います。時代が変わる時は絶対に来るから、いいことだと思います。今の若い世代の攻め方や考え方が、今の女子ゴルフのスタイルに合っているのだとしたら、年齢に関係なく吸収できることはして、勉強することも必要だと思います」

デビュー当時は“宮里藍世代”の一員として、新時代の到来を告げていた藤田。12年も経てば時代が変わるのは自然の流れ。だが、藤田自身、ギャップを感じ、年齢的な衰えを感じながらも、まだまだ戦う気持ちは強い。

昨年の藤田は満身創痍だった。春先から体調不良で集中力を欠くことが多かったが、検査をしたところ腎臓につながる血管が狭窄して血圧が高くなる「二次性若年性高血圧」という珍しい病気が原因だった。心臓に負担がかかることからトレーニングなどの運動も制限され、降圧剤を服用してラウンドするようになった。「薬を飲むとクラクラするし、ボールとの距離感も合わない」。それだけでなく左手首の腱鞘炎、左ヒジ痛なども重なり、体が悲鳴をあげていた。ゴルフの内容は悪くないが体がついてこなかった。シード権は逃したが賞金ランキングは51位にとどまり、今季の前半戦の出場権を確保できた。

昨年末、「二次性若年性高血圧」を解消するための手術を行った。シーズンを迎えるための準備は例年より遅めのスタートとなった。「まずは頑張れる体を作りたい。昨年は、シード権を守るということに縛られて、自分のゴルフも小さくなっていました。いろんなものを見直すいい機会だと思います。体も心も頭もゴルフも。やっぱり悔しいので、もう1回優勝したい」。昨年は周囲からも“連続シード”に対する期待が大きく、自分を追い込む時期もあったという。しかし、本来はシードではなく優勝を目指して戦ってきた。黄金世代という新しい波との戦いもあるが、黄金世代から学ぶことは学び、“自分のゴルフ”で11年以来のツアー6勝目を目標に置いている。


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