ジャンボ尾崎、戦いの残滓を工房で見た

ジャンボが使用した鉛。はがされた後は熱せられ、大きな鉛の塊となり再利用される(写真・佐々木啓)
ジャンボが使用した鉛。はがされた後は熱せられ、大きな鉛の塊となり再利用される(写真・佐々木啓) 【拡大】
写真の中央に山積みになっているものが何かお分かりになるだろうか?

正解ははがされた鉛。これはジャンボこと尾崎将司の個人練習場内にある工房でのひとコマだ。

尾崎はクラブの調整で鉛をよく使う。専属キャディにして専属クラフトマンでもある小暮富志雄は語る。

「試合によってはこの鉛をシャフトに全部3グラム貼って、次の日に全部取るようなこともある。それだけで30グラムの鉛を使用します。使わないときは使いませんが。一般の皆さんは鉛で調節なんてされたことはないですよね?ある程度ゴルフを突き詰めていくと、70台をコンスタントに出せる人がもう少しスコアを伸ばしたいと思った時に1打2打縮めるのは非常に難しい。そこを何とかするための調整なのです」

70歳を超えてツアーで戦うジャンボ。1打でもいいスコアで、1ヤードでも遠く。そう思って戦うレジェンドの思いが、この妥協のない微調整から感じ取れる。なお、この鉛は熱せられ大きな鉛の塊にされ、練習器具などの一部として生まれ変わるらしい。ジャンボの工房ではリサイクルも徹底されているようだ。

鉛での調整はアマチュアにもおススメだという。「皆さんに試してもらいたいですね。“あ、ここに貼ったらこういう感じに変わるんだ”と思ってもらえたら。ものは試しですよ」。なお、基本的にはトウ側に貼ればつかまりを抑えられ、ヒール側に貼ればつかまりが良くなる。この基本を抑えれば自分流のカスタマイズも十分に可能だと言う。

グラム単位の調整を重ね、戦い続けているジャンボ。工房には専用の席があり、クラブヘッドやグリップが無数に置かれ、工具が整然と並んでいる。レジェンドの魂がこもったクラブが作りだされる場所は、主がいなくても張り詰めた空気が感じられた。

(本誌・小路友博)

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