引退から8年、地元・メキシコで学校運営に携わるロレーナ・オチョア

先日もメキシコ国内のイベントで子どもたちとボールを蹴ったオチョア。自身の学校でもサッカーや乗馬に興じることがある 写真・Getty Images
先日もメキシコ国内のイベントで子どもたちとボールを蹴ったオチョア。自身の学校でもサッカーや乗馬に興じることがある 写真・Getty Images 【拡大】
 先日、メキシコのグアダラハラを訪れ、2010年、ロレックスランキング1位の絶頂期にツアーから引退したロレーナ・オチョアに会った。オチョアは自身の基金で運営する学校に心血を注いでおり、その学校を案内してくれた。

 引退直後に結婚、3児の母となった現在は首都・メキシコシティに暮らすオチョアだが、トッププレーヤーのその後の歩みを垣間見ることができたので、ぜひ紹介したい。

 グアダラハラは彼女が生まれ育った街で、メキシコシティからは西に約550キロのところにある。街には高層ビルやホテルが立ち並ぶ一画もあり、メキシコの中では比較的裕福な住民が多い。湖に面しリゾートのように区画された地域には、米国のみならず世界中から老後を豊かに暮らそうと移住する人が集まっている。

 メキシコは貧富の差が本当に激しい。オチョアの学校があるラ・バランカという地域は、中心地からわずか数キロしか離れていないのに、まるで違う世界だ。舗装されていない道路を迂回(うかい)してようやくたどり着いた学校だが、校舎に足を踏み入れると、子どもたちが安全に過ごせるように整えられた教室が並んでいた。

「ここに通うのは小学生から高校生までの約360人で、中には片道2時間歩いて通学する生徒もいる」

 授業料は月2ドルだが、それさえ支払えない家庭もあるという。

「学校では授業はもちろん、朝と昼に給食があるから、多くの子どもたちは毎日、学校が楽しみでならないのです」

 と、校舎内を案内してくれたオチョアは、生徒に囲まれながらうれしそうに笑っていた。

 オチョアとこの学校の出合いは、現役だった05年にさかのぼる。ローカルのチャリティ大会に出場した際、資金繰りに困った学校が間もなく閉鎖されるかもしれないと知ったオチョアは、07年から自身の基金で協力、08年からは運営に携わっている。

「子どもたちにとって家族の次に大事なことは教育。私は現役時代、ここを訪れるたびに子どもたちからたくさんのエネルギーをもらったから、ゴルフを続けることができた。子どもたちがきちんと教育を受けられること、メキシコと世界のゴルフがもっと発展してくれることを願っている」(オチョア)

 引退後もチャリティトーナメントで世界を飛び回る日々。それはすべて、この学校の資金集めのためだ。

 当然、ゴルフを教えることも忘れていない。スイングコーチをずっと務めていたラファエル・アラルコン氏と、近くの練習場でジュニアアカデミーも主宰している。

「夢はこのアカデミーをメキシコ中に増やすこと。南米中でもいいと思っている」

 引退したが、まだまだオチョアのゴルフ人生は続いている。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年12月25日・2019年1月1日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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