米国選抜がアウェー7連敗、キャプテン推薦が明暗を分けた

キャプテンのトーマス・ビヨーンの采配がヨーロッパ選抜のホーム7連勝を呼んだ 写真・Getty Images
キャプテンのトーマス・ビヨーンの采配がヨーロッパ選抜のホーム7連勝を呼んだ 写真・Getty Images 【拡大】
 2年に一度の米国選抜とヨーロッパ選抜の対抗戦・ライダーカップがパリ郊外のル・ゴルフ・ナショナルで開催され、欧州チームが圧勝した。

 パリという華やかな街での開催は、ヴェルサイユ宮殿で晩餐(ばんさん)会が行われるなど、これまでになく豪華。コースに設置された3階建ての観客席は欧州全土から集まったファンで埋め尽くされ、“オーレ・オーレ”の声援が響き渡っていた。

「アウェーで勝てない」が、もはやジンクスとなっている米国チームは、世界ランキングで比較すると圧倒的に有利だと思われる選手の顔触れだったが、アウェーで7連敗と記録を更新してしまった。

「ライダーカップで勝つことはヨーロッパの選手にとって、ものすごく大きい意味がある。米国選手よりもずっとパッションがある。そしてパリに集結したゴルフファンたちの応援は、ヨーロッパチームの最大のパワーになった」

 と、5ポイントを挙げてヨーロッパ選抜勝利の立役者となったフランチェスコ・モリナリは大興奮で話した。モリナリは5つのマッチすべてに出場して全勝した。これは、1967年のアーノルド・パーマー、79年のラリー・ネルソンらに続く史上4人目、ヨーロッパ選抜としては初という快挙で、一躍ヒーローとなった。

 両チームの明暗は、キャプテン推薦が分けたといっていい。

 前週のツアー選手権で復活優勝したタイガー・ウッズを擁して勢いに乗るはずだった米国チームは、ウッズとフィル・ミケルソンの二人のアメリカンスターが、そろって0ポイントだったことが大きい。さらにあと二人のキャプテン推薦も、ブライソン・デシャンボーが0勝3敗、トニー・フィナウが2勝1敗と、4人の合計がわずか2ポイントだった。

 欧州チームのキャプテン、トーマス・ビヨーンが選んだ4人、ヘンリク・ステンソン、セルヒオ・ガルシア、イアン・ポールター、ポール・ケイシーの獲得ポイントは9.5ポイント、勝利の半分以上を4人で稼ぎ出した。

 負けてしまうと矢面に立たされるのはキャプテンの宿命だが、

「開催コースはラフが深く、フェアウェイが非常に狭かった。ロングヒッターよりもショットの正確性で選手を選ぶべきだった」

 と、米国選抜キャプテンのジム・フューリクの選手選考、そして采配が疑問視されることになってしまった。

 開催コースは毎年ヨーロッパツアーが開催される。ヨーロッパ選抜にとって地の利があったとはいえ、

「それでも、この結果はあまりにも残念すぎる。まったくチームに貢献できなかった。今度は米国チーム向きのコースだ」

 と、ウッズは苦しそうな表情を見せながら、2年後、9回目の出場を目指すことを誓った。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年10月23日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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