来季のために無理なスケジュールも、小平智のルーキーイヤーが終了

ツアー初優勝後12戦中予選落ち8回。苦戦はすべて来季のための布石だ 写真・村上航
ツアー初優勝後12戦中予選落ち8回。苦戦はすべて来季のための布石だ 写真・村上航 【拡大】
 小平智が、米PGAツアー1年目を終えた。

 4月にスポット参戦で臨んだRBCヘリテージで優勝、ツアーメンバーとなり米国に主戦場を移して、いわば激動の1年だった。

「この5カ月は長かった。苦しかったぶん長く感じました」

 自身の最終戦となったプレーオフ第2戦、デル・テクノロジーズ選手権にて、小平は今シーズンをそう言葉にした。

 昨年末、世界ランキングにおいてわずかの差でマスターズ出場権を逃すと、それでも前向きに1月のソニーオープンから出場機会の得られる試合に出続けて、マスターズへの切符を手にした。

 米PGAツアーに活動の場を移してからは、正確なショットとオープンで明るい性格を武器に、徐々に居場所を広げていった。練習環境に恵まれた米国での生活も、自分自身に合っていた。

「ゴルフが大好きなんで( 笑)。米国にいたほうが他のことに惑わされずに、ゴルフに向き合っていられる。毎日、同じ生活の繰り返しのほうが疲れない」

 ツアーメンバーになってからの成績は12戦で予選落ち8回。いつしか表情が厳しくなっていったが、それでも小平は連戦した。

「優勝で2年のシード権を得て、1年間をフルに戦うという意味では来年が本番。初めてのコースばかりだから、とにかくいろいろな経験がしたい。今年はまずコースを知ること。そのうえで来年のスケジュールを考えたい」

 体力的に無理を感じても試合に出続けた。

「ちょっと厳しいかなと感じたこともあった。米ツアーの厳しさというより、自分のゴルフができなかった。そのことでだんだん楽しくなくなってしまった」

 そもそものきっかけは、昨年の日本オープンでドライバーが割れたことだ。代わりになるクラブを何本も試し、ようやく「これだ!」と思っても、やっぱり違う……を繰り返した。

「思うようなスイングをしても、球が思うように飛んでくれない。そこからアイアンが不調になって、パット入れなきゃ、って思ったらパターにきて、という悪循環。それがどんどん積み重なってあふれてしまった」

 自身最終戦も予選落ちに終わったが、最後の最後に自分の感触を取り戻した。

 最後のラウンド中には、共に戦ってきたキャディの大溝雅教氏と「来季は一年が早く感じられるようにしたいね」と話した。

「パットが決まってくれたので久しぶりに楽しいラウンドでした。昨年の感覚に戻ってきたので、次につなげたいなと思う」

 10月第1週に開幕する次のシーズン、小平は第2戦のCIMBクラシックが初戦となる予定だ。自分に合ったコースを選び、無理のないスケジュールで戦うことができる来季、いよいよ本格参戦の心意気で臨む。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年9月25日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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