全英リコー女子オープン優勝のジョージア・ホール、名前に込められた父の願いがかなった日

マスターズ史に残る大逆転劇と同時期に生まれたジョージア・ホール。見事に父の願いをかなえた 写真・村上航
マスターズ史に残る大逆転劇と同時期に生まれたジョージア・ホール。見事に父の願いをかなえた 写真・村上航 【拡大】
 先の全英リコー女子オープン、日本では比嘉真美子の活躍で大いに盛り上がったが、現地は地元・英国出身、22歳のジョージア・ホールの優勝で熱気と興奮に包まれた。2009年のカトリーナ・マシュー以来の英国勢の勝利と新星の誕生は、英国ゴルフ界にとってビッグニュースだ。

 リンクス育ちのホールの強みはバンカーショットにある。コースはティショットの落としどころに多くのポットバンカーが待ち受ける。ティショットでいかにしてバンカーを避けるかがキーポイントとなっていたが、グリーンサイドのバンカーからのサンドセーブ率100パーセントとデータに残るほど、バンカーショットの得意なホールは、バンカーを恐れずドライバーで攻めることができた。その結果、ドライバーショットの安定感を生み、バンカーを避けるコントロールを発揮することができたのだ。

“ジョージア”という名前は、ゴルフ好きの父・ウェインさんが、毎年マスターズが開催される米国ジョージア州にちなんでつけた。彼女の生まれた1996年は、母国の英雄、ニック・ファルドが最終日にグレッグ・ノーマンを大逆転した年である。父は大会期間中の4月12日に生まれた娘に、いつかメジャーチャンピオンに、という願いを込めた。

 左官職人のウェインさんの手ほどきで7歳のときにゴルフを始め、アマチュア時代はナショナルチームのメンバーとして活躍した。母が理容師をして家計を助けるホール家は決して裕福ではなかった。13歳で全英女子アマチュア選手権を制し、クラフトナビスコ選手権(現ANAインスピレーション)に招待されたが、渡航費がなく出場を辞退したという。

「他にも予選通過を果たした試合で本戦に出られなかったこともあるし、父が自分のクラブを売って都合をつけてくれたこともある。大変だったけど、一度もモチベーションを失ったことはない」(ホール)

 14年に18歳でプロ転向すると、ヨーロッパ女子ツアーを主戦場にプレー、昨年は未勝利ながら賞金女王に輝いている。昨年の全英リコー女子オープンでも3位タイの好成績、ソルハイムカップの欧州チームの主力メンバーとして活躍もした。そして、昨年12月の最終予選会を7位で突破し、今季は米ツアーメンバーとして戦っている。

 普段はボーイフレンドがキャディを務めているが、この試合ではウェインさんがバッグを担いだ。

「ゴルフを始めて以来、この全英リコー女子オープンに勝つことは家族の夢。私たち家族にとって特別な大会なのです。だからどうしても父にキャディをしてもらいたかった」

 ファルドの優勝を見ながら父が描いた夢が現実になった。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年9月4日号)掲載

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