「コースの外でもジュニアのお手本」リッキー・ファウラーが大人気の理由

女性やジュニアにも人気のファウラー。ギャラリーサービスのあつさがその人気を支えている 写真・Getty Images
女性やジュニアにも人気のファウラー。ギャラリーサービスのあつさがその人気を支えている 写真・Getty Images 【拡大】
 今年1月、リッキー・ファウラーが米国の“ベストマナーピープル(最も礼儀正しい人)”の1位に選ばれた。ナショナルリーグ・オブ・ジュニアコティリオンズ(子どもたちを未来の紳士淑女に育成する)という団体が、スポーツ界だけでなく俳優やミュージシャン、皇族に至るまで、世界のセレブから毎年選出している。

 ファウラーの選出理由は「プレー中だけでなく、コース外でもジュニアの手本となるべき品位のある行動」だ。ゴルフ界から1位が選ばれたことは誇らしいが、日ごろからファウラーを知る仲間たちは、

「リッキーが選ばれるのは当然のこと。何も驚かない」(親友のジョーダン・スピース)

 メジャータイトルがまだないファウラーは、過大評価という声もあるが、現在、間違いなくツアーナンバーワンの人気選手だ。

 エキゾチックな顔立ちに引き締まった体躯、ファッションリーダーでもある。先日、婚約を発表したものの女性ファンも多い。また、ホールアウト後、どんなに時間をかけても全員にサインするのは有名で、だからこそ子どもたちからも人気だ。

 スピースやジャスティン・トーマスら、親友たちのメジャー勝利を、ホールアウトを待って祝ったり、自らが惜敗したときも優勝者をたたえることができる。今年のマスターズ、パトリック・リードに1打及ばず2位となったときもスコア提出所の横でリードを静かに待った。2016年のウェイストマネージメントフェニックスオープンでは、プレーオフの末、松山英樹に敗れると、

「祖父(日系米国人の田中豊さん)が応援に来ていたから是が非でも勝ちたかった」

 と涙を流したが、松山には「ヒデキ、またやろう!」とすがすがしく声を掛けた。

 昨年10月、ファウラーはある男性とゴルフをするためにアトランタへと飛んだ。男性は末期の膵臓(すいぞう)がんで余命幾ばくもないファウラーの大ファンで、「一度でいいから一緒にプレーしたい」と願っていた。それを知ったファウラーが駆けつけたのだ。

 同12月、ヒーローワールドチャレンジで勝利を挙げるとSNSで、

「僕たちは同じカートに乗ってたくさん笑った。彼はパットがうまくて、何度もやられてしまった。あの日のことは一生忘れない」

 残念ながら大会直前に他界した男性に「この勝利を捧(ささ)げる」とつづった。

 以前、米PGAツアーのメディア担当に、一番協力的な選手は誰かと尋ねたことがある。「ファウラー」と即答だった。

「人気選手だから記者からの要望も多いが、どんなに大変でも最大限、協力してくれる」

 エピソードを挙げればキリがない。人のために動くことができる。それがファウラー人気の最大の理由だ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年7月17日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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