“飛びすぎ”ボール規制の検討へ ニクラス、ウッズは賛同しているが……

ダスティン・ジョンソンのビッグドライブはギャラリーにとって間違いなく生観戦の魅力の一つだ 写真・岩本芳弘
ダスティン・ジョンソンのビッグドライブはギャラリーにとって間違いなく生観戦の魅力の一つだ 写真・岩本芳弘 【拡大】
 WGC-メキシコ選手権でダスティン・ジョンソンが387ヤードの2番パー4をティショットでグリーンオーバー、大きな話題となった。会場のチャプルテペックGCは標高約2250メートル、富士山5合目ほどの高さにあり、平野部に比べて15パーセントほど飛距離が出るとはいえ、当のジョンソンも、

「飛ばすことはゴルフのスキルの一つ、飛べばやっぱり気持ちいいに決まっている」

 と、上機嫌だった。

 ジョンソンは1月のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズでも、433ヤードを1オンして観衆の度肝を抜いたが、ジョンソンの飛距離は、全米ゴルフ協会(USGA)とロイヤルアンドエインシェントゴルフクラブ・オブ・セントアンドリュース(R&A)が、“飛ぶボール”を規制しようとする動きを加速させるに十分なようだ。

 先月、R&A会長のマーチン・スランバー氏がこれまでの方針を一転、

「現在の飛距離はゴルフにとって大変重要な問題。決してボールだけではない。飛びすぎることが問題だ」

 と発言したことでR&AとUSGAがミーティングを持ち、詳細なデータを検証した結果、世界の7ツアーの平均で、2017年は前年比約3ヤード、飛距離が伸びたことが判明した。

「技術の進歩で飛距離が伸びたことが、ゴルフをより簡単なものにしているのは事実。その結果、より多くの人が楽しめているが、本来はもっとテクニックが生かされなければならない。われわれは一線を超えたと思う」(スランバー氏)

 USGAのマイク・デービス氏は「ゴルフの発展に“飛びすぎ”は不要だ」と発言すると、もとより“飛ばないボール”に賛成のジャック・ニクラスは「どんなことにも協力は惜しまない」と賛同し、

「今の飛距離の20パーセントは減らすべき。プロとアマチュアは違うボールを使うという選択肢もある。以前は6500ヤードだったコースが今や7500ヤードになり、その結果、プレーに時間がかかるようになった。昔に比べてずっと広大な土地が必要なぶん、土地代もメンテナンスの経費もグンと増えた。それがすべてプレー代金に跳ね返る。そして、ゴルフ人口の減少につながっている」(ニクラス)

 と、その理由を語った。

 タイガー・ウッズも飛ばないボール推奨派。「野球やバスケットボールなど他のプロ競技と同じように、プロは1種類のボールで戦うべきだ」

 ジョンソンはウッズの前では賛同したが、「種類を統一しても、飛距離性能を制限しても、結局ロングヒッターのほうが飛ぶのは同じ。飛ばない選手にとっては不利益だ」

 と本音を漏らす。

 USGAとR&Aは規制について検討に入る。どんな議論と結論が導き出されるのだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年3月27日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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