米PGAツアー高額賞金の源泉の一つ、莫大な放映権料が視聴スタイルを変える!?

ファーマーズインシュランスオープンで、最終日は松山英樹とラウンドしたウッズ。ギャラリーも視聴者も熱気に包まれた週末だ 写真・Getty Images
ファーマーズインシュランスオープンで、最終日は松山英樹とラウンドしたウッズ。ギャラリーも視聴者も熱気に包まれた週末だ 写真・Getty Images 【拡大】
 1年ぶりにタイガー・ウッズがツアー復帰を果たした米PGAツアーのファーマーズインシュランスオープンのテレビ視聴率が発表された。ウッズが予選通過を果たしたことで、土曜日が前年比で50パーセント、日曜日も38パーセント上昇し、「過去5年で最高の数字、テレビ界にとっては素晴らしい出来事だった」と放映した米3大ネットワークの一つ、CBSスポーツは大喜びだった。

 現在、莫大な放映権料を支払って米国内で生中継しているのは、WGCなど特別な試合を除き、木・金曜が有料ケーブル放送局のゴルフチャンネル、土日は試合によってCBSとNBCの2局いずれかの系列だ。昨秋に契約を延長し、少なくともこの状態が2021年までは続くことになっている。

“莫大”と書いたものの、その契約料は公表されていないので不明だ。しかしメジャーリーグやNFLなどと同じように、米PGAツアーはこの放映権料で大いに潤っている。各試合の賞金総額が右肩上がりであるのも放映権料が一翼を担っている。

 ところが、ここへきて事情が変わりつつある。結局は契約を更新したのだが、昨秋は「契約延長されないのでは?」という、まことしやかなうわさが流れた。要因はウッズの欠場が続き、視聴率が低迷したことだ。高すぎる放映権料に「ウッズがいないツアーと契約しない」と各放送局が値下げを要求したという話が伝わった。ツアー側はFOXやESPNなど他の放送局と交渉、またツアー自身で放送局を持つプランも浮上しているという。

 さらに大きな要因はインターネットのストリーミングの存在。米国でも日本同様若者のテレビ離れが加速しており、今後はネットでの観戦が主流になるだろうと予想したツアーは、ウェブサイト上で有料会員向けに『PGAツアーライブ』の放映を開始した。人気選手のペアリングに密着する“フューチャーグループ”や、キーホールのプレーを独自の解説者で配信している。1打1打のすべてがフォローされ、とても面白い。

「21年までは現行のテレビ放映が続くが、ネット放映が成功すれば、その後は大きく変化する可能性がある」

 と、コミッショナーのジェイ・モナハン氏はいう。

 ちなみに放映権料の高騰は日本にも影響している。現在予選ラウンドはゴルフネットワーク、決勝ラウンドはNHKがBSで放映しているが、契約は18年末までで来年以降の更新が決まっていない。

「アジア進出は米PGAツアーにとって大きな課題だから間もなくうまく折り合いがつくと思う」(関係者)

 迎えつつあるネット中継時代、日本での視聴も今後大きな変化があるのかもしれない。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年3月20日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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