米PGAツアーで深刻化するスロープレー、果たして画期的な解決策はあるのか

今回はJ・B・ホームズのプレーが論争の発端となったが、米PGAツアーのスロープレー問題は根が深い 写真・Getty Images
今回はJ・B・ホームズのプレーが論争の発端となったが、米PGAツアーのスロープレー問題は根が深い 写真・Getty Images 【拡大】
 ファーマーズインシュランスオープン最終日、最終組のJ・B・ホームズが18番(パー5)の第2打に、なんと4分10秒もの時間をかけた。先にホールアウトしたジェイソン・デイを2打差で追いかけていたホームズは、最終ホールでイーグルを奪えばプレーオフ。グリーンを狙うかレイアップかと悩んでいるうちに、4分以上が経過したのだった。

 最終組とあってこの一部始終がテレビ放映され、ファンからもSNSなどで大ブーイングを受けてしまった。ツアーの規定では1打にかける時間は40秒とされており、最大60秒まで許される。

「そんなに時間がかかっているとは思っていなかった。でも試合に勝とうとしていたから必要な時間だ。いったい何が問題で大騒ぎしているのか分からない」

 とホームズは主張し、さらにジャスティン・トーマスも、

「スロープレーが問題なのは分かっているが、もしボクがホームズの立場なら同じことをした。JBだけを責めるのは公平じゃない」

 と擁護した。そう、問題はホームズだけではない。強風が吹いたこの日、1ラウンドに6時間を要し、デイとアレックス・ノレン、ライアン・パーマーとのプレーオフは、日没で翌朝に持ち越されてしまったのだ。

「ツアー全体の大問題であり、ゴルフ界にとっても由々しき事態。スロープレーはゴルフ人口が減少する大きな原因の一つ、このままではゴルフがダメになる」(米PGAツアー)

 実際、米PGAツアーのプレーは本当に遅い。さらに悪いことにひと昔前よりも遅くなっている。

「以前は3人でのラウンドなら4時間30~40分だったが、最近は5時間~5時間半ということがざらにある」

 とベテランの一人、ジェフ・オギルビーはいう。原因の一つとして、若手選手のプレーの遅さを挙げている。

「たぶんボクの年齢、40歳が分かれ目だと思う。今の若手は非常に練習熱心で計測器の進化からスイングの研究も積極的。コースでの実戦より練習場で育った彼らは、素晴らしい選手になった代わりに、試合中でもスイングのことばかり考えて、その結果スロープレーになっている」(オギルビー)

 ツアーのスロープレーに対する取り組みも問題だ。多くが罰金で済まされていて、1995年以降スロープレーで罰打を加えられたことは2度しかないという。高額賞金を得ている選手には罰金など痛くもない。選手会やメディアも加わって論争となっており、罰打の強化は当然として、ショットリンクという一打速報システムを使って一打にかかった秒数を表示するという案もある。次の選手会でも議題に上がる予定だ。

 果たして画期的な解決策が施されるのか、注目したい。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年3月6日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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