5年目の上原彩子が今年もシード当確 粘り強さを発揮できる理由は……

エビアン選手権では一時首位に。その実力はメジャーでも通用することを証明した 写真・村上航
エビアン選手権では一時首位に。その実力はメジャーでも通用することを証明した 写真・村上航 【拡大】
 米LPGAツアー参戦5年目の上原彩子が、今季最後のメジャー、エビアン選手権で優勝はできなかったものの10位タイと健闘した。宮里藍がこの試合を最後に引退、その寂しさを紛らす明るいニュースだ。

 米LPGAツアーはエビアン選手権終了時の賞金ランキングで、次戦のニュージーランド女子オープンから始まるアジア・オセアニアシリーズ6試合の出場優先順位が決定する。

 エビアン選手権で10位タイに入ったことで賞金ランキングが62位となった上原は、LPGA KEBハナバンク選手権、TOTOジャパンクラシック以外の出場権を確定させた。

 アジア・オセアニアシリーズの米LPGAツアーからの出場人数は70~80人で、賞金ランキングがそれ以下の選手から追い上げられる可能性も少なく80位までに与えられる、来季のシード権も確実となった。

 上原は他の日本人選手と同じように、ツアーでは飛ぶ選手ではない。しかし、毎年ギリギリながらもシードを確保している。今年は宮里藍が引退、宮里美香、横峯さくら、ルーキーの畑岡奈紗が苦戦する中、上原の粘り強さは、海外生活の苦労を楽しみに変えるパワーにあると感じられる。

 5年目となる今も、上原は米国内に拠点を持たない。毎週大きな荷物を持ち歩き、ときどき日本からトレーナーや母、姉が来てサポートすることもあるが、基本はキャディと二人で行動する。米LPGAツアーは、賞金額は日本ツアーとあまり変わらない試合も多いが、経費がかかる。獲得した賞金だけでやっていけるのは上位のほんの一部の選手であり、ほとんどの選手ができる限り経費を抑えなければ、ツアー転戦を続けることはできない。

 移動の航空券は、お得なプランを利用することもあるし、オフの週などは、ツアー仲間のシェラ・チョイらを通じて知り合った友人や知り合いの家に泊めてもらうこともあるという。それは米国内にとどまらず、時にはカナダなどへ旅行がてら足を延ばすことも。

「彼女らが留守でも、カギを借りて勝手におうちを使わせてもらったこともあります」

 ルーキーイヤーの序盤には体調管理に苦労したこともあったが、現在では米LPGAツアーに溶け込み、マイペースを貫いている。

 年下の宮里藍が先にクラブを置く。

「全英リコー女子オープンのときに一緒に練習ラウンドをして、“もうこういう時間が持てなくなるんだな”と、寂しい気持ちになったけど、藍ちゃんが引退するという思いを私は尊重したい。でも今、私はできるだけ長くツアーに出続けたいと思っています」

 この粘り強さが、初優勝に結びつく日が楽しみだ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年10月10日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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