日本人男子初の世界ランキング2位 松山英樹のポテンシャルの高さ

キャディの進藤氏も「経験を積んで終盤の優勝のチャンスにも動じなかったし、小技の引き出しも増えた」と、松山の成長を語った 写真・岩本芳弘
キャディの進藤氏も「経験を積んで終盤の優勝のチャンスにも動じなかったし、小技の引き出しも増えた」と、松山の成長を語った 写真・岩本芳弘 【拡大】
「なんとか明日、プレーしたいです……」

 全米オープン最終日、66とスコアを伸ばした松山英樹はクラブハウスリーダーでホールアウトした。これは松山がアテストをしている間に、キャディの進藤大典氏がつぶやいた言葉だ。この大会のプレーオフは翌日に18ホールで行われる。せめてプレーオフになれば、と一生懸命祈っていた。

 結果はブルックス・コプカが終盤にスコアを伸ばし松山は4打差の2位タイに終わったが、これで松山英樹は日本人男子で初めて世界ランキング2位になった。メジャーは無冠とはいえ、その実力に異議を唱える人はいないだろう。

 これまでたくさんの実力ある日本人選手たちが世界最高峰の、このツアーに挑戦してきた。その中で松山がなぜ世界ランキング2位にまで上ることができたのだろうか。

 身長181センチ、体重93キロは、確かに日本人としてはとても恵まれた体格だといえる。3勝を挙げた丸山茂樹が当時、「2000㏄のエンジンで5000㏄を相手に戦っているようなもの。馬力が違いすぎる」とパワーの差を嘆いていたことを考えると、大きな体が生きていることもあるかもしれない。

 今季の松山は、ドライバーの平均飛距離がこれまでよりも6ヤードほど伸びていて、ランキング24位(6月25日現在)につけている。

「確かに数字ではそうだけど、実際に飛んでいるのか、風のせいなのか分からない」

 と松山自身は実感を持っていないが、トレーナーの飯田光輝氏は、

「トレーニングを始めて4年目、少しずつ飛距離が伸びています。下半身のトレーニングは継続しながら、松山選手がスイングの中でそのときに求めている部分を重点的にメニューに加えていきたいと思っています」

 と、手応えを実感している。

 平均飛距離が伸びていることと関連して、この4年間でヘッドスピードもアップしている。ヘッドスピードの速さは飛距離だけでなく、高い弾道を生み、球の高さは硬いグリーンを攻略することにもつながる。

 もちろん飛距離や球の高さだけでメジャーに勝てるわけではないが、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンは飛距離でツアー1位。コプカは5位だ。ヘッドスピードのランキングでも、ジョンソンは11位、コプカは4位、松山は28位タイ(すべて6月25日現在)。結果を残している選手がランキング上位に食い込んでいることを考えると、まったく関係がないとはいえない。

「ここまで上位にくることができているということは、少なからずチャンスは増えてきているのだと思います」(松山)

 いよいよ次は、世界一とメジャー制覇。どちらのニュースが先になるのか、楽しみだ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年7月18日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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