全米オープン最終日の裏で“父の日”を満喫した二人のスーパースター

ツアー出場は今年1月、ファーマーズインシュランスオープンが最後。ウッズの復活を願う人々がコースに押し寄せたが…… 写真・Getty Images
ツアー出場は今年1月、ファーマーズインシュランスオープンが最後。ウッズの復活を願う人々がコースに押し寄せたが…… 写真・Getty Images 【拡大】
 米国ウィスコンシン州のエリンヒルズGCで開催された今年の全米オープンは、タイガー・ウッズとフィル・ミケルソンがそろって欠場した。二人の姿がないメジャーは1994年以来、実に23年ぶりのことになる。

 2008年大会覇者のウッズは、昨秋に受けた腰の手術からの復帰を目指したが、かなわなかった。

 ご存じのとおり、ウッズの現状はなかなか深刻だといえる。腰のケガからのリハビリ生活を送っていたはずだった5月末、自宅のあるフロリダ州の路上で路肩に止めた車の中で眠っているところを警察に発見された。“DUI(DrivingUnder Influence=何かの影響下での運転、多くの場合は飲酒運転)”で即時逮捕されたのだが、検査を受けた結果、アルコールは検出されなかった。

 ウッズは「ケガの治療薬を服用しているが、予想外の影響が出た」と供述。しかし、痛み止めとして処方されている薬の中に、抗うつ剤が含まれていることが分かり、ウッズ自身も常用を認めた。違法薬物ではないものの、スーパースターの現状としては、悲しさを感じざるを得ない。

 全米オープン最終日、エリンヒルズでの戦いが最終盤を迎えるころ、ウッズは自宅近くの映画館で娘のサムちゃんと、息子のチャーリークンと“父の日”を共に過ごしていた。離婚の際にエリン元夫人と取り交わした50パーセントずつの親権を継続するために、

「現在、薬の管理について、そして背中の痛みと睡眠障害へ、プロのアドバイスをもらっている」

 と、薬物への依存から立ち直るつもりだ。

「世界最高峰のツアーで、もう一度戦いたい」と強いモチベーションを見せているウッズ。カムバックは厳しいだろうという見方が大半だが、果たして再びこの舞台に戻ることができるのだろうか。

 一方、4大メジャーを制する“キャリアグランドスラム”の達成に、全米オープンの勝利を残すのみだったミケルソンは、長女・アマンダさんの高校の卒業式への出席を選んだ。ミケルソンはこれまで全米オープンで2位が6回。優勝は悲願とあって、悪天候などによるスタートの遅延があれば、と最後まで望みを懸けたが、出場はかなわなかった。

 二人のスーパースターの不在に、会場では寂しさを感じるかと思ったが、ブルックス・コプカがメジャー初制覇、松山英樹、リッキー・ファウラーやジャスティン・トーマスら人気のヤングガンが優勝争いを演じて盛り上がった。それはウッズ、ミケルソンが築いてきた一つの時代の終焉(しゅうえん)を意味するものなのかもしれない。

 まったく異なる理由で全米オープンを欠場した二人は、家族と過ごした父の日に、何を思ったのだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年7月11日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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