フェデックスがスポンサー契約延長に当たり、米PGAツアーに突きつけた条件

松山英樹は5月29日現在フェデックスカップポイントランキング2位。1位になれば巨額ボーナスが手に入る 写真・村上航
松山英樹は5月29日現在フェデックスカップポイントランキング2位。1位になれば巨額ボーナスが手に入る 写真・村上航 【拡大】
 米PGAツアーは年間ポイントレースとプレーオフのスポンサー、フェデックス社との10年の契約延長を発表した。これにより2026-27シーズンまで、年間3500万ドルのフェデックスカップの賞金、そして年間王者が得る1000万ドルの巨額ボーナスが続くこととなり、選手は大喜びだ。

 今年1月に就任したコミッショナーのジェイ・モナハン氏は5月、第5のメジャーと呼ばれるザ・プレーヤーズ選手権で、

「われわれはどんどんと成長している。数字はまだいえないが、フェデックスカップもボーナスももっと大きくなる」

 と満面の笑みで語った。コミッショナーを22年続けた前任のティム・フィンチェム氏は、辣腕(らつわん)ぶりで知られたが、そこから受け継いで初の大仕事を成功に収めた。

 しかし、契約延長に当たっては、いくつかの条件がつけ加えられたようだ。一つは「フェデックス社のライバル企業と契約している選手は、このポイントレースに参加できない」というもの。フェデックスといえば宅配輸送サービスで世界最大手だが、例えば同業のUPS社の契約選手が対象だ。現時点ですでに契約している、リー・ウエストウッド、ルイ・ウェストヘーゼンは例外とされたが、新たに契約する選手は“ノー”。現在のところ選手やエージェントからの反対意見はあまり出ていないようだ。

 もう一つはツアー日程の大きな変更だ。現在、プレーオフの4試合は一週間を空け、8月末~9月末に開催されている。これを9月の第1週で終えてしまおうというのだ。というのも、9月に入ると米国内で大人気のNFLシーズンになり、ゴルフのテレビ視聴率は急激に落ちる。それを回避するためだ。しかし、それだけ早くシーズンを終えるには大幅な調整が必要で、現在5月に開催されているプレーヤーズ選手権を元の3月に戻し、8月のメジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権を5月開催にするという案が挙がっている。すると、3月プレーヤーズ選手権、4月マスターズ、5月全米プロ、6月全米オープン、7月全英オープン、そして8月にプレーオフと、毎月大きな試合が続くことになる。

 影響は米PGAツアーだけにとどまらない。5月は、欧州ツアーの最高峰、BMWPGA選手権が開催されており、

「もし全米プロが5月開催になれば、われわれのスケジュールも大きく見直さなければならない」

 と、CEOのキース・ペリー氏は戸惑いを見せている。20年には東京オリンピックも控えている。

 実現のカギを握っているのは全米プロを主催するPGA・オブ・アメリカ。今年の8月中には結論を出す、と調整している。まずはその動向に注目したい。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年6月20日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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