若手選手の強さが目立っていた米LPGAツアー 39歳・カーの優勝で今年は30代の逆襲か!?

ロッテ選手権で優勝したのは39歳のクリスティ・カー。開幕戦で優勝した31歳のブリタニー・リンシカムに続く30代の優勝だ 写真・Getty Images
ロッテ選手権で優勝したのは39歳のクリスティ・カー。開幕戦で優勝した31歳のブリタニー・リンシカムに続く30代の優勝だ 写真・Getty Images 【拡大】
 ロッテ選手権で39歳のクリスティ・カーが19勝目を挙げた。35歳以上の選手が勝つのは久しぶりで、2015年11月、当時38歳のカーがツアー最終戦のCMEグループツアー選手権で勝利して以来となる。

 実は今季、米LPGAツアーはこの大会までの8試合で24歳以下の優勝者はジャン・ハナ一人と、20代後半の選手の活躍が目立っている。30代も、カーのほか31歳のブリタニー・リンシカムも優勝している。

 昨季は全33試合中、24試合が23歳以下の勝利とヤングガンの台頭が目立ち、優勝者の平均年齢は22.3歳だったが、今年は28.75歳と6歳以上の開きがある。

 優勝者の平均年齢が上がっている要因の一つはリディア・コの不振にあるだろう。コは現在世界ランキング1位だが、昨年7月のマラソンクラシック以来16試合勝利がない。昨年のこの時期にはすでに優勝していたが、今季ここまで勝利がないのはコーチ、キャディ、契約クラブなど、これまでの環境をガラリと変えたことが大きく影響していると考えられる。

 ただし、優勝者の平均年齢を上げているのは、コの不振だけが原因ではない。昨年5勝と大ブレークした21歳のアリヤ・ジュタヌガーンも今季は未勝利だ。2位が2回、3位1回と、決して不調ではないものの、惜しいところで勝利を逃している。22歳のレキシー・トンプソンも賞金ランキング2位につけてはいるが、優勝はまだない。

「ゴルフはパワーや若さだけで勝てるものではありません。何よりも経験とメンタルが必要とされるゲームだということが、今年のマスターズで37歳のセルジオ・ガルシアが勝ったことでいい証明になったはずです。私ももちろん緊張もするし、プレッシャーもあるけど、こうしてまだ選手として戦えていることが本当にうれしい」

 と、カーは自分自身の経験と、プレッシャーに打ち勝つメンタルの強さが充実していることで、自信を持って戦えていることを語った。また自らも二人の子供を持ってツアーを転戦し続けたジュリ・インクスターは、現在のカーの強さについて、

「家族を持ったカーはコースの中でも外でも大きく変わりました。チームワークがものをいうソルハイムカップでは、特に若手を気にかけ、素晴らしいメンタリティーで戦っていました。今のカーはメンタルの強さが武器。まだまだこれからも勝ち続けるはずです」

 と分析した。

 若さとパワーは大きな力だが、経験とメンタルの強さがそれを上回ることがある。今季はこのまま30代の逆襲が見られるとしたら、とても楽しみなツアーになる。33歳の上原彩子、31歳の宮里藍と横峯さくらも、この流れに加わってほしいものだ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年5月23日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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