アリヤ・ジュタヌガーン躍進の原動力 ビジョン54の二人が弟子たちを語る

昨年、ピア・ニールソンがその年に最も活躍したコーチやクラブプロに贈られるLPGAエレン・グリフィン賞を受賞(左からリン・マリオット、アリヤ&モリヤ・ジュタヌガーン、ニールソン)(写真・Getty Images)
昨年、ピア・ニールソンがその年に最も活躍したコーチやクラブプロに贈られるLPGAエレン・グリフィン賞を受賞(左からリン・マリオット、アリヤ&モリヤ・ジュタヌガーン、ニールソン)(写真・Getty Images) 【拡大】
 昨今の米LPGAツアーは、どんどんコース全長が延び、グリーンは硬く、速くなっている。当然難易度も上がり、飛距離、技術力、そしてメンタルの重要性が注目されている。

 昨年大躍進したアリヤ・ジュタヌガーンのコーチを務めるのは“ビジョン54”。ご存じ、ピア・ニールソンとリン・マリオットの二人だ。普段はアリゾナを拠点にメソッドを啓蒙(けいもう)しており、トーナメント会場に姿を見せるのは年に6~7試合。現在米LPGAツアーではアリヤと姉のモリヤ・ジュタヌガーン、そして宮里藍、最近はライアン・オトゥール、スー・オーが二人の門下生となった。そして男子ツアーでもケビン・ストリールマン、ラッセル・ノックス、ハンター・メイハンがティーチングを受けている。

 ANAインスピレーションの会場で、門下生たちの様子をチェックする二人に話を聞いた。

 昨年、この大会の最終日、アリヤ・ジュタヌガーンは首位に立ちながら最後の3ホールで3連続ボギーをたたき、優勝を逃した。

「試合が終わった後、アリヤは泣き崩れていたけど、シーズンが終わると、あの大崩れがあったからこそ、優勝争いで緊張したときの戦い方を学べたので、一番いい経験だったと話していました」(ニールソン)

 アリヤは敗戦の1カ月後に3試合連続優勝を達成、7月には全英リコー女子オープンでメジャー初制覇、最終的には賞金女王とプレーヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

「アリヤは、特に緊張しているときには、ショットを打つ前に笑顔をつくるルーティンを行っています。でも、それは私たちが教えたことではありません。目の前のショットに集中するために彼女自身が見つけた方法なのです」(ニールソン)

 また、イマイチ調子に乗り切れない、宮里の状況についても教えてくれた。

「私たちが今、アイに最も気をつけていることは“エクスペクテーション”(期待)という言葉です。いいプレーをすると、つい自分に期待をしてしまう。その結果、大事なところで欲が出てミスにつながってしまうのです」(ニールソン)

 ANAインスピレーションでは、初日の前半9ホールでスコアを伸ばしたが、後半は崩れた。

「頭では分かっているのに、なかなかうまくいかない。ゴルフは本当に難しいです」(宮里)

 ラウンド後、練習グリーンでマリオットと長い間話していた宮里は、2日目以降はカムバック。

「今のアイには技術的な問題はありません。ミスをしたときにメンタルをどう持っていくか。そこがあと少しうまくできるようになれば、また優勝戦線に戻れるはず」(マリオット)

 宮里の復調を、ニールソンとマリオットはどう導いていくのだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年4月25日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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