マスターズ前に不調に陥った松山英樹、前週のオフウイーク調整は吉と出るか

松山英樹はマスターズ前最後の試合、WGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレーで予選リーグ敗退。マスターズへの不安を口にした(写真・Getty Images)
松山英樹はマスターズ前最後の試合、WGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレーで予選リーグ敗退。マスターズへの不安を口にした(写真・Getty Images) 【拡大】
「年に4回、自分のピークを合わせることが毎年の目標だ」

 これは全盛期のタイガー・ウッズの言葉だ。メジャー4連勝を果たした2000~01年はそれが成功、一方で13年は少しずつピークがずれ、メジャーの前にばかり勝利したことがあった。

 トップ選手はみんな、メジャー勝利を目指し、開催時期にピークを迎えるべく、それぞれの方法で調整する。大きく分ければ、メジャーの前週の試合には出場しない選手と、試合の中で調整する選手がいる。

 そして、今週はいよいよシーズン最初のメジャー、マスターズだ。

 ウッズは全盛期から、マスターズの前にはオフウイークを取って調整していた。一方、マスターズに3勝しているフィル・ミケルソンは、前週も試合に出場してきた。世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンや、6位のジョーダン・スピースは、今年も前週のシェルヒューストンオープンに出場してオーガスタへ向かう。

 かつて、マスターズ4勝のアーノルド・パーマーは「ピークを調整することはできない」という考えで、「メジャーも他の試合も同じように出場する。必要なのはメジャーと戦う心構えだ」というのが信念だった。

 対照的にジャック・ニクラスは「メジャーに勝つためにはスケジュール調整が必要」という持論を実践し、メジャー18勝を挙げた。

「ただし、メジャーを最高の状態で迎えるわけではない。まだ調子が上げられる、最高より少し下の段階で初日を迎えるようにしてきた。大切なのは、選手それぞれが自分の調整法を見つけることだ」

 と、ニクラスは話すが、日本人初のマスターズ制覇に期待がかかる松山英樹も、自分に合った調整法を取ることが、そのカギとなるだろう。

 今シーズン、非公式大会のヒーローワールドチャレンジを含めると、優勝3回、2位が2回、世界ランキングも4位に浮上と好調が続いていた松山。しかし、ここへきて調子を落としている。

「あと2試合しかない。何かを変えないとよくならないと思う」

 と、WGC-メキシコ選手権後、焦るように語っていたが、その2試合、アーノルド・パーマー招待とWGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレー選手権でも成績は振るわず。「どうにかしないと」と、シェルヒューストンオープンには出場せずにオフウイークを取り調整、6回目のマスターズに挑む。

 落ちてしまった調子は上げるしかない。ニクラスの“帝王学”を借りれば、初日の1番ティに“まだ調子を上げられる、最高よりも少し下”の状態で立つことができれば、松山にもチャンスはある。私たちも、松山がグリーンジャケットに袖を通す姿を期待しながら木曜日を迎えたい。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年4月18日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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