ハナバンク選手権でツアー引退のパク・セリ、目標は“アーノルド・パーマーのような人”

今後は後進の育成に力を注ぐというパク・セリ 写真・Getty Images
今後は後進の育成に力を注ぐというパク・セリ 写真・Getty Images 【拡大】
 今季限りでの引退を発表していたパク・セリが、母国でのLPGA KEBハナバンク選手権の初日をプレー、ツアー仲間に別れを告げた。

 ホールアウトしたパクが同組のフォン シャンシャンとハグを交わすと、クリスティ・カー、モー・マーティンら多くの仲間がグリーン上に駆け寄った。少し涙を見せたパクだが、

「こんなに素晴らしい見送りを受けた選手は、きっと私だけ。素晴らしいセレモニーだった。少し寂しいけれど、これでようやく新しい道に進むことができる」

 と、ホッとした表情で素直な気持ちを語った。

 パクが引退を考え始めたのは、5年も前だという。韓国女子ゴルフを牽引(けんいん)してきたパクだが、

「コースへ行くのが楽しくなくなった時期がある」

 と、いわゆるバーンアウトに陥った。そこから復活して最後に勝利したのは2010年。その後もケガに苦しんだパクはツアーからの引退を決意した。

 最後のシーズンの出場は左肩の痛みと闘いながらの10試合にとどまり、うち、予選通過は3試合。今大会も「プレーするのは初日だけ」と、あらかじめ決めていたという。

 パクがセンセーションを巻き起こしたのは1998年。全米女子プロ選手権で初メジャー勝利を挙げると、全米女子オープンも制覇。現在、日米女子ツアーを席巻する韓国勢の多くが、パクの活躍に影響を受けクラブを握ったことはご存じだろう。メジャー5勝を含むツアー通算25勝、世界ゴルフ殿堂入りも果たした。

 ニュージーランドに移住したが韓国生まれのリディア・コは、引退セレモニーにビデオメッセージを寄せ、

「あなたのプレーを見て私は育ちました。今の私があるのはあなたがいたからです」

 と韓国語で感謝を伝えた。柳 簫然も、

「今まで教えてもらったことは、ずっと忘れません」

 とコメント。

 また、最後のラウンドをパクと同組でプレーしたレキシー・トンプソンは、韓国中から駆けつけたファンの熱気と報道陣の数に、

「セリの存在の大きさをあらためて知りました。一緒にプレーができて本当にうれしかった」

 と、驚きを見せた。

 パクはこれから、母国で後進の育成に力を注ぐ。8月のリオデジャネイロオリンピックでは韓国チームの監督を務めたが、選手たちをしっかり支えながら、厳しい一面も見せたという。

「まずは練習の環境をしっかり整えること。韓国のゴルフ協会と話し合って、次の五輪を目指して強化チームをつくっていきたい。私が目指すのは、つい先日亡くなったアーノルド・パーマーさんのような人。新たな目標ができた」

 と、最後は力強い言葉でツアーを去ったパク。韓国女子ゴルフ界のパイオニアとして、これからも力強く歩み続けていく。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ11月15日号掲載
武川玲子(たけかわ・れいこ) 大阪府出身。米国を拠点に米PGAツアーと米LPGAツアーを中心に、精力的な取材活動を続けている。

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