チャンピオンズツアーで10年連続勝利、ランガーにはアンカリング禁止も関係なし

ロングパターを体につけず優勝したランガー。今季も好スタートで5年連続8回目の賞金王に懸ける 写真・Getty Images
ロングパターを体につけず優勝したランガー。今季も好スタートで5年連続8回目の賞金王に懸ける 写真・Getty Images 【拡大】
 チャンピオンズツアーで今年新設されたチャブクラシック(2月12~14日、米国フロリダ州・ツインイーグルスGC)は、ベルンハルト・ランガーが初日から飛ばし、2位のフレッド・カプルスに3打差をつけて勝った。ツアー26勝は、ヘイル・アーウィン45勝、リー・トレビノ29勝に次ぐ勝利数。2007年シーズン途中からチャンピオンズツアーに参戦しているランガーは、その年を含めて10年連続で勝利を挙げている。

 第二次大戦でドイツ陸軍の下士官だったランガーの父親は、ソ連軍の捕虜となりシベリアへの抑留中、貨車から飛び降り脱出に成功。西ドイツ領に逃げ込み、戦争終了後、近くの米軍キャンプで働くようになったことでゴルフとの縁ができた。ランガーはミュンヘン近くのパブリックコースでキャディを始めた直後からゴルフに真剣に取り組み、高校卒業後アシスタントプロになり、1972年にツアーデビュー。欧州ツアーはまだ極小規模の時代だった。それまでの英国中心からヨーロッパ全体に拡大し、ツアーが成長軌道に乗ったのは、スペインの星、セベ・バレステロスがデビューする70年代半ばからである。

 ヨーロッパを中心に戦うことに物足りなさを感じ、本格的に米PGAツアーに目標を絞ったのは85年。この年、マスターズは3回目の出場だった。絶対有利と見られていたカーチス・ストレンジがアーメンコーナーの12番やパー5の15番で池に打ち込み、ランガーの元にタイトルが転がり込んできた。印象的だったのは、クロスハンドで、どこでパターを握っているか分からないような変則グリップでのパッティングだ。

 そのパッティングスタイルで一躍話題になったランガーだが、「私は25歳でイップスになり、その後ありとあらゆる方法のスタンス、ストローク、グリップをやってきているから、今ここで理論的に説明しろといってもできない」と、その形について問われると答えた。

 ランガーは若いときに腰を痛めているが、ロングパター採用も功を奏し、以後、痛みを再発させたとの話は聞かない。3年前に、趣味兼トレーニングのサイクリングで転倒し、シーズン立ち上がりがやや遅れたことがあるが、それ以外故障らしいものもない。鉄面皮といっては失礼かもしれないが、とにかくどんなときも表情をほとんど変えない。黙々とプレーし、喜怒哀楽は顔に出さない。それでも人気があるのはプレー内容にファンがほれているからだ。

 今年からアンカリングが禁止となった。ランガーはロングパターを体につけずに使用し、優勝を飾った最初の選手となる。頑丈そのもののランガー時代は、まだ続きそうだ。

文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2016年3月22日号)掲載


岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年神奈川県出まれ。報知新聞社で活躍後、70年にフリーのゴルフ記者に転向し、世界のゴルフを取材中。



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