歴史あるカナディアンオープンで61年ぶりのカナダ人チャンピオン誕生ならず

最終日の18番ホール、グリーンをぐるりと囲んだギャラリーはカナダ国旗を掲げて応援した 写真・Getty Images
最終日の18番ホール、グリーンをぐるりと囲んだギャラリーはカナダ国旗を掲げて応援した 写真・Getty Images 【拡大】
全英オープンの翌週のRBCカナディアンオープンは、かつて4大メジャーに次ぐビッグトーナメントだった。

1962年から開催されていたワールドシリーズ・オブ・ゴルフは、4大メジャー優勝者の間で争われたが、当時はアーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤーのビッグ3全盛時代。誰かがメジャーに2勝して出場選手が3人になった場合、カナディアンオープン勝利者から補充していた。

カナディアンオープンは1904年に始まったときから米PGAツアーの一試合で、最後のカナダ人優勝者は54年のパット・フレッチャーだ。自国のナショナルオープンを外国人選手にいつもさらわれるのは、その国の人たちにとっては面白くない。差別や偏見がなくても、スポーツには多かれ少なかれ愛国心的な要素があるものだが、カナダは環境そのものが、自国のマーケットだけではやっていけない。ゴルフシーズンは4〜10月に限られ、米国と長い国境線を持ち、社会、文化あらゆる面で米国との密接な関係なくして成り立たないのだ。

カナダにもプロツアーはあるが4〜9月に12試合しかなく、米PGAツアーのグローバル戦略下、運営責任は米PGAツアーが持ち、そのシーズンの賞金ランキング上位5人が、翌シーズンのウェブドットコムツアー入りができる。

ジャック・ニクラスが設計したグレンアビーGCはトロントの西30キロほどにある。77年、最初にカナディアンオープンを開催してから約20年間は、ほとんどここが開催コースになっていた。ナショナルオープンが特定のコースばかりで開催されていてはさすがに異論も出て、2001年以降はロイヤルモントリオール、ハミルトンなど5コースのローテーション開催になっているが、やはりグレンアビーが最も盛り上がる。

今年はカナダ出身の36歳、ツアー未勝利のデビッド・ハーンが最終日を首位で迎え、久しぶりのカナダ人チャンピオン誕生へ期待が高まったが、最終日72とスコアを伸ばすことができなかった。

現在、米PGAツアーでプレーしているカナダ人選手は約10人。昨年のウェブドットコムツアー賞金ランキング4位のアダム・ハドウィン、ニック・テイラー、グラハム・デラートら有望株も多い。カナダ人にとってはメジャーと同じ重みを持つナショナルオープン。カナダ人選手が大会を制し、大きな感動が生まれるときは必ずやってくる。

文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2015年9月1日号)掲載


岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年にフリーのゴルフジャーナリストに転向。以降、現在まで米PGAツアーを中心に世界のゴルフを追いかけている。

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