松山英樹 世界一への一歩を踏み出す!

藤本佳則にレベルを上げてもらった

バーディを取らないとプレーオフに進めない状況で、18番の2打目は、1.5メートルにつける精度の高いショットを見せた
バーディを取らないとプレーオフに進めない状況で、18番の2打目は、1.5メートルにつける精度の高いショットを見せた 【拡大】
 松山の強さの秘密はどこにあるのだろうか。

 明徳義塾高校3年時に日本ジュニアゴルフ選手権を制するなど、松山はジュニア界では有名な存在だった。しかし、日本ツアーのQTを受験したが思うような結果が出ずに、東北福祉大学へ進学。ここで大きな転機を迎えた。

 同学年の石川遼は、ジュニア時代の松山について次のように話す。

「ジュニアのころの(松山)英樹は痩せていて、飛距離が出るというイメージはまったくなかったですね」

 身長は180センチあったが、体重は60キロ台で、今の松山から想像できないほどの細身だった。そのため、大学ゴルフ部の阿部靖彦監督が「世界で戦うなら体力をつけろ」と食事の量を増やし、体を大きくすることを促した。その量は半端ではなかった。今では「量は減った」というが、それでも一般男性の倍以上は食べ、高校時代よりふた回りは大きな体となった。

 大学時代、松山に大きな影響を与えたのが2学年上の藤本佳則だ。

「大学に入って、ヨシさん(藤本佳則)にレベルを上げてもらったと思っています」

 藤本は身長165センチと小柄ながらショットの精度の高さ、卓越したコースマネジメントでナショナルチーム入りするなど活躍。プロ転向後も1年目で初優勝を遂げ、賞金ランキング5位に入った。

「大学に入ったとき、ヨシさんは異次元だと思いました。試合で勝つことはあっても、内容は完敗で、超えたと思ったことは一度もありません。でも、同じ寮で2年間過ごした身近な人が、プロ1年目で賞金ランキング5位という成績を残したのを見て、ヨシさんと近いことをやればプロでもできると自信をもらいましたし、目指すものがあってよかったです。ずっとヨシさんを超えたいと思ってやってきました」

 学生ゴルフ界の中心にいて、プロ転向後もすぐに結果を残した藤本の存在が、松山の意識をさらに高めたわけだ。
プレーオフの3打目はラフからバンカー超えのアプローチ。昨年から練習してきた技術で3メートルに寄せた
プレーオフの3打目はラフからバンカー超えのアプローチ。昨年から練習してきた技術で3メートルに寄せた 【拡大】
 ちなみに松山は、高校2年時の日本アマチュアゴルフ選手権の2回戦で藤本と対戦している。出だし5ホールで4アップとリードしながら、最終的に1ダウンで敗戦した。そのときのプレー内容は1打ごとにすべて覚えているほど、松山にとって藤本の存在は大きい。

 じゃんけんに負けるのも嫌だというほどの負けず嫌いの松山だが、大学時代に「やるべきことをやれば結果が出る」ということを実感した。その考えは今でも変わらない。安定したスイングを作るために、苦しみ、もだえながら、筋力強化にも力を入れている。

「きついトレーニングは嫌になります。でも、それが結果としてメジャー優勝につながれば、なんとも思いませんよ」

 目指すべきことへの妥協を許さない姿勢は、大学生のころからすでに持ち合わせていた。

【次ページ】「期待される以上のプレーをしたい。それがスター選手だと思う」

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