松山英樹 世界一への一歩を踏み出す!

米ツアーは“化け物”の集まりではない

今季2度の優勝争いの経験が生きた
今季2度の優勝争いの経験が生きた 【拡大】
 メジャー通算18勝を誇る帝王、ジャック・ニクラスが大会ホストを務めるザ・メモリアルトーナメント。米ツアーでも屈指の難度を誇るミュアフィールドビレッジGCにワールドランキング上位者がそろうこの大会は、“準メジャー”と呼ばれる。タイガー・ウッズは腰の手術のため欠場したが、今年も、実に世界ランキング上位20人中17人が出場していた。

 その“準メジャー”で、松山英樹はケビン・ナをプレーオフで下し、米ツアー初優勝を遂げた。日本人としては青木功、丸山茂樹、今田竜二に続く史上4人目。22歳は最年少である。そんな歴史的快挙を、米ツアー参戦26戦目で達成した。

 しかし、この優勝は松山のゴルフ人生において、ゴールではない。

 振り返ってみると、松山の戦績はどれも記憶に新しい。東北福祉大学1年時の2010年にアジアアマを制して11年のマスターズに出場すると、27位タイでローアマを獲得。同年の三井住友VISA太平洋マスターズではアマチュア優勝を果たした。

 その優勝シードの権利を行使して、大学4年時の13年にプロ転向。2戦目のつるやオープンでプロ初優勝を遂げると、年間4勝を挙げて賞金王を戴冠。同年、海外でも全米オープンで10位タイ、全英オープンで6位タイに入るなど結果を出し、わずか6試合で米ツアーのシード権も獲得してみせた。

「自分が想像していたより1年早いですね。簡単に勝てるとは思っていませんが、ここは自分が目標とする場所。米ツアーで勝ちたいし、メジャーで勝ちたいです」

 昨年末に痛めた左手首の影響でしばらく本調子ではなかったが、今年に入って難セッティングばかりの米ツアーで15ラウンドオーバーパーを打たないなど安定感のあるプレーを続け、早々にシード権を確定させた。

「出来過ぎではないと思います。昨年(6戦でシード獲得)もそうでしたがベストのプレーを集めたわけでもないですし、いいショットが出れば、悪いショットも出ます。普通のゴルフという感じです」

 第一の目標としていたシード権獲得は達成したが、松山が見つめていたのはその先である。

「みんな優勝するためにやっていると思います。こう見えて、僕もいろいろ考えているんです。すべてのことは勝つために」

 昨年は、日本にはない粘っこい芝のアプローチに苦戦することもあったが、丸山茂樹にアドバイスをもらうなど鍛錬を重ね、狙ったところに落とせるようになった。ショットの精度を高めるためにスイングの研究も継続している。さまざまなコースに対応するために、ユーティリティー以上の長いクラブのバリエーションを増やすことにも取り組んできた。

 そして今年2月、ウェイストマネージメントフェニックスオープンで初めて優勝争いを経験し、最終的に4位タイに入った。

「優勝を意識して緊張しました。勝てませんでしたが、収穫もありました。優勝争いの中で1回はミスがあるものですが、ミスショットがなかったのはよかったです」

 悔しい思いをしながらも、手応えを感じた。そして、5月のクラウンプラザインビテーショナル・アット・コロニアルでは、米ツアーで初めて首位で最終日を迎えた。

 結果は3打差の10位タイに終わったが、大会を終えて感じることがあった。それは、自分で「米ツアーのレベルは高い」とハードルを上げすぎないこと。フル参戦前は、“化け物”の集まりと形容していたが、それらの幻想を払拭することが優勝への道だと気がついた。

 米ツアーでも多くの経験をし、鍛錬をして、階段を上り、一歩一歩優勝へと近づいていった。

【次ページ】「目指すものがあってよかったし、ずっとヨシさんを超えたかった」

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