市原弘大 全英オープン(2016)(2日目) 写真・村上航
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一方、市原は風雨の強い午後のスタート。2アンダー22位タイから出たが3バーディ、9ボギーの77。スコア的には大きく崩したが、耐えに耐えて67位タイで予選通過。2度目の出場で初の決勝進出を果たした。
出だしからパーオンできないホールが続いて5ホールで4つスコアを落としたが、6番(パー5)でチップインバーディとして息を吹き返す。しかし、風雨が激しくなった8番から再び5ホールで4つスコアを落とす。カットラインの4オーバーを超える5オーバーまで後退したが、ここから粘りを発揮。13番で8メートル、14番で5メートルのバーディパットを沈めて圏内に入ったが、14番でボギーと、再び当落線上へ。17番(パー3)でティショットを大きく左に曲げてしまい、2・5メートルのパーパットが残ったが、しぶとく決める。18番(パー4)はパーオンに成功。1・5メートルのパーパットを沈めて、市原には珍しくガッツポーズが飛び出した。その直後には目頭を押さえるシーンもあり、予選通過の喜びを表した。
「こんなにうれしいことはないです。最後のパットは考えても仕方がないので、ラインだけを決めてしっかり打つことだけを考えました。こんな強風はこれまで1、2回ぐらいしかやったことがありません。次のショット、次のショットとひたすら一生懸命やりました。まだ2日ありますし、一番下なので、少しでも順位を上げていい4日間にしたい」
記者団の前でもこの日のゴルフを回想して涙を流すシーンもあった。うれし涙は人生で初めてというが、苦しい1日を耐えて乗り越えたご褒美、残り2日間が待っている。
文・小高拓