全米プロゴルフ選手権
メジャー最終戦! 地元開催53歳のK・ペリーがサプライズを起こすか!?
K・ペリーが奇跡を起こすか!? 写真・Getty Images
地元を愛しファンを喜ばせる
今シーズンのメジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権(8月7~10日、ケンタッキー州・バルハラGC)が開催される。
今大会は、マスターズ、全米オープン、全英オープンの3メジャーに比べてアピール度が弱いとの見方もあるが、実際にはエキサイティングな試合展開が多い。
1991年には、ジョン・デイリーの衝撃的デビューがあった。この年は欠場者が多く、補欠だったデイリーに最後の一人として出番が回ってきた。彼は、練習なしのぶっつけ本番で出場したが、まさかの優勝を飾り、一躍スーパースターとなった。
会場であるバルハラGCは、86年にオープンし、過去2回、全米プロが行われている。初開催は96年で、早めにスタートした地元・ケンタッキー州出身のケニー・ペリーが最終日にスコアを伸ばし、テレビ中継のゲストに呼ばれた。
そこから終盤の展開がもつれ、ペリーにプレーオフ進出の可能性が出てくると、テレビ局側は、
「そろそろプレーオフの準備をしたほうがいいのでは」
と気を使ったが、ペリーは、
「私がテレビに出演することで地元の人はすごく喜んでいる」
と解説席を離れようとせず、結局、まったく練習をしないでマーク・ブルックスとのプレーオフ開始となった。そして、1ホール目であっさりと軍配はブルックスに上がったのだった。
ペリーのプレーオフ前の行動が批判の的になったのはいうまでもない。本人は「別に後悔していない」と話すが、その後、ペリーがレギュラーツアーでメジャーを勝つことはなかった。
しかし彼は、2013年のチャンピオンズツアーでシニアプレーヤーズ選手権と全米シニアオープンに勝利し、メジャータイトルを獲得。長年の念願を果たした。
地元への恩返しを重要視しているペリーは現在53歳だが、今年、サプライジングチャンピオンになる可能性もある。
本命は、全英オープンで初日から首位を走り切り、メジャー3勝目を挙げたロリー・マキロイ。WGC-ブリヂストンインビテーショナルも制し、勢いに乗っている彼に、メジャー2連勝の期待がかかる。
文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2014年8月19・26日号)掲載、一部改訂
【岩田禎夫】
1933年9月30日生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年に退社。以降、フリーのゴルフジャーナリストとして、米ツアーを主に世界のゴルフを精力的に取材する。