
完全治癒とはいかなかったが、ウッズはトーリーパインズで開催されるこの全米オープンを復帰の場に選んだ。初日こそ19位タイとおとなしいスタートだったが、2日目2位タイ、そして3日目終了時には単独トップに立った。20メートルのイーグルパットや、強く入ってしまったアプローチがピンに当たってカップインするなど、運も味方した。しかし、プレー中に見せる苦悶(くもん)の表情や、足を引きずるしぐさに悲愴感がただよった。ショットのたびに崩れ落ちそうになりながらも、それでもなんとか耐えた。
誰もがウッズの「完走」を不安視する中スタートした最終ラウンドでは、出だしからつまずいた。1番をダブルボギーとすると、1組前をいくロッコ・メディエイトに首位の座を明け渡す。その後もスコアを伸ばせないウッズをしり目に、メディエイトは手堅いゴルフを展開。ウッズを1打リードしてホールアウト。
窮地に追い込まれたウッズは、18番(パー5)のティショットをバンカーに打ち込み、2打目をレイアップすると、3打目でグリーンをとらえ、ピン右4メートルに乗せた。プレーオフに持ち込むためには、バーディパットをねじ込むしかなかったが、強く打ったボールは見事カップに吸い込まれ、メディエイトとの18ホールのプレーオフに突入した。
全米オープン独自規定により、翌日行われた18ホールのプレーオフでは、お互いバーディとボギーを分け合う展開で決着が付かず、サドンデスにもつれ込んだ。その7番ホールでは、フェアウエーバンカーにティショットを入れたメディエイトに対し、ウッズはフェアウエーキープ。セカンドがグリーンを大きくショートし、3オンとなったメディエイトはボギー。ウッズは、安全にパーオンし、パーでメディエイトを振り切った。
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