米国フロリダ州マイアミのTPCブルーモンスターで開催されたWGC-キャデラック選手権で、タイガー・ウッズ(米国)が今季2勝目。最終日に71の1アンダーで回り、通算19アンダーで圧勝した。2打差の2位にはスティーブ・ストリッカー(米国)。本音はウッズの優勝を半分、分けてほしいかもしれない。
「すごく気持ちのいい勝利だった。特に、こんなに難しいセッティングの中、1週間いいプレーができたのだから。今日のグリーンは本当に速かった。でも、正しいほうにつけられたことで、アグレッシブに攻めることができた」(ウッズ)
今週のウッズは、4日間のトータルが100パットとパッティングがさえた。その理由は? 試合が始まる前日、ウッズがストリッカーにパッティングレッスンを頼んだからだ。ストリッカーは45分間、パッティンググリーンでウッズのストロークを調整。そのおかげか、今週ウッズが決めたバーディは27個にものぼった。これは、ウッズ自身の記録に一つ少ないだけ。それだけパットが好調だったのだ。
優勝セレモニーでは「パッティングのレッスンをありがとう」とスピーチ。
「今週はグリーン上のボールの転がりが、とても気持ちよく感じることができたよ」
とウッズは笑った。
2位に終わったストリッカーだが、ウッズへのレッスンについて聞かれると次のように答えた。
「成果は分からないよ。きっとタイガーは、ボクのヘルプがなくても同じようにパットができたかもしれないさ。でも、タイガーはとてもハッピーだ。素晴らしいプレーをしてくれて、ボクもうれしい。たとえボクがわずか2打で敗れていてもね」(ストリッカー)
ウッズの世界選手権シリーズの勝利は17度目。1999年にWGCが始まって以来、ウッズは43パーセントの勝率ということになる。そして、ツアー通算76勝は、ツアー記録のサム・スニードの82勝まであと6つと迫った。いよいよシーズン最初のメジャー、マスターズは4週後に迫っている。
文・武川玲子、写真・Getty Images