伊藤園レディスゴルフトーナメント
期間:2019年11月15日 ~11月17日 | 場所:グレートアイランド倶楽部 6741ヤード (パー72)
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大きな病気を乗り越えて 鈴木愛がつかんだ史上2人目の3週連続V&史上3人目の年間7勝
史上3人目の年間7勝を達成した鈴木愛 伊藤園レディスゴルフトーナメント(2019)(最終日) 写真・岩本芳弘
<伊藤園レディスゴルフトーナメント 最終組◇17日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
最後まで強者のそれだった。敬愛する大山志保と並んで迎えた18番。大山がグリーン上で2mのパーパットを沈める姿を、鈴木愛は2打目地点で見守っていた。「大山さんは日頃から仲良くさせてもらっているし、きのう一緒にまわってショットもパットも良かった。プレーオフはやりづらい」。そんななかで迎えたピンまで残り172ヤードの2打目。「思ったよりもつかまった」という打球は池のある左方向へ。
だが、このショットがピン左4mにつくと、最後にバーディパットを沈めて何度も右手でガッツポーズ。2007年の全美貞(韓国)以来となる史上2人目の3週連続優勝、そして不動裕理、イ・ボミ(韓国)に続く史上3人目の年間7勝を達成した。
「優勝は狙っていましたけど、本当に勝てると思っていなかった。自分が一番びっくりしていますし、実感はまだないです」と顔をほころばせた鈴木。11月に入って3戦3勝、これで申ジエ(韓国)をかわして賞金ランキングも首位に立ったが、実はその裏で病気と闘っていた。
左手首、親指痛の影響で休んでいた「日本女子オープン」ごろに発症。詳しい病名は明かさなかったが、「2週間くらいずっとお腹が痛かったです。お医者さんからは“今はそこまでする必要はないけど、悪化したら手術が必要”といわれました」。高タンパクのもの、脂っこいものは控えるように指示され、大好きな焼肉も食べられなくなった。
怪我も落ち着き「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で復帰したが、このときは「とにかくラウンド中に腹痛にならないかが一番の心配」とゴルフ以外の面での不安が非常に大きかった。なんとかラウンドをこなせたこと、状態は良くなってきたことでそこまでの不安はなくなったが、今週も3日間とも食事はうどん。まだ完治はしていない。
この問題があるからこそ、先週の「TOTOジャパンクラシック」優勝で得た米ツアーへの出場も慎重になる。「怪我もありますし、病気もある。この2つを抱えてアメリカに行くというのは厳しさがあります。食事の面でもアメリカの食事を考えると難しさのほうが大きい」。とはいえ、中学生のころからの憧れの地でもある。「これから小林浩美さんや樋口久子さんに話を聞いてから考えたいですが、今は70%くらい来年も日本でやる予定です」と話した。
そんな状況でも2度目の女王戴冠をグッと引き寄せたのはさすがと言うほかない。「もちろん獲りたいと思っていますが、ジエさんも同じ気持ちだと思います。これで1位になりましたが気を抜かないようにしたい。最終戦は優勝賞金が3000万円。最後にさされたら終わる。全員差が無いと思って来週に臨みたいと思います」。残り2試合。病気と強敵、2つの大きな壁が立ちはだかるが、これを乗り越えた先に最強女王の称号が待っている。(文・秋田義和)
記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)
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