ニッポンハムレディスクラシック

国内女子

涙からはじまった優勝劇 19歳・ほほ笑みランクン、父と果たしたシンデレラ物語

19歳S.ランクン 父と二人三脚で涙の初優勝を果たした ニッポンハムレディスクラシック(2019)(最終日) 写真・佐々木啓
19歳S.ランクン 父と二人三脚で涙の初優勝を果たした ニッポンハムレディスクラシック(2019)(最終日) 写真・佐々木啓

リーダーズボード

順位 選手名 スコア 合計
1 S.ランクン -5 -15
2T 河本 結 -1 -12
2T 稲見 萌寧 -2 -12
4T 笠 りつ子 -5 -11
4T ジョン ジェウン -1 -11
4T 岡山 絵里 E -11
7 渋野 日向子 -5 -10
8T 三ヶ島 かな -6 -9
8T 永峰 咲希 -3 -9
8T イ・ボミ E -9
<ニッポンハムレディスクラシック 最終日◇14日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6602ヤード・パー72>

タイから来たひとりの少女の夢がかなった。これまで中国や台湾で15勝を挙げてきたが、そのどれよりも、うれしさは格別だった。最終日に5バーディを奪う逆転劇。トータル15アンダーでS.ランクン(タイ)がツアー初優勝を飾った。

実は疲れと心労がたまっていた。次週はツアーを休み、タイから親戚を呼んで観光に行く予定だった。「5週連続の出場で、疲れがたまっていた」だけでなく、はじめての国での連戦で心も体も悲鳴をあげる直前だった。前週の試合が日曜日に終わり、月曜に北海道入りしたが、疲れはピーク。様々な感情が入り混じり、キャディを務める父のスラットさんに涙ながらにこぼした。「つらい。疲れた」。

そんな19歳の娘を父は静かになだめ、勇気づけた。「来週みんなが来るから」。娘はそこで再び気持ちを入れ替えた。「親戚が5人来るんです。みんなが行きたいと言っているディズニーランドに行くにはお金がかかると思って、稼がないといけないと思っていたところだったんです。本当に優勝なんて考えていなかった。信じられない」。

若さゆえ、感情のコントロールも難しい。たびたび父には弱音をこぼしてきた。ところが今大会が始まると、予選ラウンドを首位で通過。開き直りの快進撃が始まった。スラットさんに言わせると、「3日目はがっつきすぎた」と、スコアを伸ばせずに終わったが、最終日は、「バーディを6つ獲ろう」と2人で決めてスタート。親子二人三脚で驚き半分の優勝をつかみ取った。

2週前にシーズン前半戦が終了。リランキング制度で上位に入り、後半戦出場を決めたが、そんな細かな制度も知らずに戦っていた。「とにかく日本ツアーに残りたい」と話す姿からは切実さも感じられた。「次の優勝や、賞金女王なんて想像もできない(笑)」としたが、それが偽らざる本心。とにかく目の前の試合で稼ぐことが必要だった。もし日本でシードを取ることができなければ、来年の予定もまったく立たなかったと打ち明けた。

決して裕福ではない幼少時代、常に横で支えてくれたのは父だった。いわゆるアベレージゴルファーの父がキャディを務めるのには、娘のそばで支える意味合いもある。娘は15歳でプロ転向。アジアを中心に戦ってきたが、小さなツアーでは優勝しても賞金は少なく、収支は厳しい状況だった。

そんな2人が乗り込んだのは異国の地・日本。右も左も分からない中、必死に戦ってきた2人。励まし合いながら、親子旅を続けた。「とにかく賞金ランキングで50位以内に入って、日本ツアーに残りたいんです」。親子の居場所を日本に求めたさなかでの優勝。涙、笑顔、驚き、いろんな感情が一気に爆発した。

「来週はとにかく遊びたい! 新宿にも行ってみたいし、富士山が見えるところにも泊まる予定。そして、東京ディズニーランド。もう夢みたいです…」と、心からバケーションを楽しみにしている。「久しぶりにゴルフから離れられる!」。ほほ笑みの国から来たスマイリーランクンは、涙や苦悩を乗り越え、最後には最高の笑顔で北海道をあとにした。(文・高桑均)

記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)

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