ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント
比嘉真美子、地元Vの夢かない涙 次なる目標は東京五輪「夢で終わらせない」
涙のあとには笑顔あり 比嘉真美子が声援を背に地元V ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント(2019)(最終日) 写真・村上航
<ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 最終日◇10日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6514ヤード・パー72>
気丈なうちなーんちゅが涙した。沖縄県にある琉球ゴルフ倶楽部で行われた国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」最終日、比嘉真美子はウィニングパットを決めると、勝利をかみしめながら目を潤ませた。
2位に7打差をつけてのスタート。周囲は余裕だと思っても、本人はいつも以上に緊張していた。「変な緊張感もなくスタートできたと思いましたが、この大会には思い入れが強いぶん、思った以上に緊張してしまっていた」。3番で5mを沈めてバーディを先行させたものの、7番で1.5mのパーパットを外すと8番パー3ではティショットを右の木に当てるなどダブルボギー。暗雲が一気に立ちこめる。
流れを断ち切ろうと試行錯誤を繰り返しても、一度傾いたものは中々戻らない。11番で1つ戻すも13番パー3ではバンカーにつかまるなど4オン1パットでこの日2つ目のダブルボギー。さらに、15番からの連続ボギーで一気に2打差まで詰め寄られてしまう。
だが、最後には執念が競り勝った。17番でピンまで98ヤードの2打目を2mにつけてバーディを奪取。18番パー5もきっちり3オン2パットでパーとして、2004年の宮里藍以来となる沖縄県勢の優勝を果たした。
この試合に勝つのが夢だった。「小学校5年生でゴルフを始めて、その年と翌年にこの大会でボランティアをしました。その時に女子プロのかっこいい姿を見てプロゴルファーになりたいと思った。そしてこの大会で勝ちたいと思いました」。今でも覚えているのは女王のたたずまい。「練習場でボールを渡す役目だったのですが、不動裕理さんがいらっしゃって。見ていて“こんなにすごい人がいるんだ”と子どもながらに思いました」。こういう風になりたい。決意した瞬間だった。
それからというものダイキンで勝つことが夢のひとつとなった。「それが現実となり、それで18番で涙を。まだ夢と現実の狭間でしたけど。プロになってまだ短いですが、いい年も悪い年もある。でも、頑張り続けたらいいことがあると改めて思いました」。念願がかなった瞬間、喜びが涙となってこぼれ落ちた。
開幕戦で地元Vでも、これはまだスタート。比嘉にはまだ夢がある。東京五輪への出場だ。今回、優勝したもののまだ上には畑岡奈紗と鈴木愛がおり、世界ランキングの大幅な上昇が求められる。「勝ちまくらないと届かない位置。毎週優勝争いをしないといけません」と前置きした上で、「チャンスがあるなら全力でつかみに行きたい。夢で終わらせず、自分でかなえたい」。地元大会優勝の夢をかなえても、まだまだ大志が尽きることはない。
他にも賞金女王という願いもある。「賞金女王はまだ考えていないですが、シーズン終盤で今日よりも成長していれば可能性はあると思います。今日みたいなゴルフをしていたら優勝争いで勝てませんから」。次なる夢へ。まだまだ歩みを止めるわけにはいかない。(文・秋田義和)
記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)
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