LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ

国内女子

若干20歳にして到達した 勝みなみのゆるぎない無欲の極意!

3日目に左腕前腕の筋を痛めた影響からか、ティショットを右に曲げることが多かった最終日。度重なるピンチはパッティングでしのいだ。4日間とも30パットがないのは、出場選手中、勝一人だけだった
3日目に左腕前腕の筋を痛めた影響からか、ティショットを右に曲げることが多かった最終日。度重なるピンチはパッティングでしのいだ。4日間とも30パットがないのは、出場選手中、勝一人だけだった

リーダーズボード

順位 選手名 スコア 合計
1 申 ジエ -4 -11
2 ペ・ヒギョン -1 -11
3T 鈴木 愛 -6 -10
3T 比嘉 真美子 -4 -10
5 勝 みなみ -2 -9
6 アン・ソンジュ -1 -8
7 大山 志保 -2 -6
8T 松田 鈴英 -3 -5
8T 成田 美寿々 -1 -5
10 香妻 琴乃 -6 -3
今季女子ツアー最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは、今季の優勝者と賞金ランキング25位までの選手だけが出場権を持つ大会。選ばれし29人の戦いは、難コースといわれる宮崎カントリークラブとの戦いでもあった。その中で4日間自分のゴルフに徹し5位に入った勝みなみの成長は、来季のさらなる活躍を確信させるものだった。

前週の大王製紙エリエールレディスオープンでプロ初優勝を遂げ、今大会の出場権を手にした勝みなみ。

「優勝は意識していません。自分のゴルフに徹するのみ。この大会は出られただけで十分。チャレンジャーとして臨みます。このコースではいろんなところから打っているので、いい経験を積んでいます」と、首位と3打差の7アンダー2位タイでフィニッシュした3日目に、勝はいっていた。

ラフは80ミリ。最も絞られたところでフェアウェイの幅は10メートル。そして芝目がきついコーライグリーン。宮崎カントリークラブは、屈指の難コースとして知られている。
「4年前にアマチュアとして出場したときのことは、ほとんど何も覚えていないんです。でもセカンドショットを打っている地点が、全然違います。ドライバーの飛距離がずいぶん伸びました」と、勝。

勝にとっては、初めて挑むコースのようなものだった。ある意味、白紙で挑む大会だった。そして何よりも、無欲だった。

孫子曰く、“戦わずして敵に勝つ。それぞ、最上の戦いなり”。不戦屈敵、勝利の極意で勝はコースに挑んでいた。トッププロとはいえ、まだ20歳の女の子。武道の達人がたどり着くような気構えには驚くばかりだが、そこに勝の大きな成長があった。

勝は昨季プロテスト合格し、今季ツアーに本格プロデビューした黄金世代。同期の新垣比菜や大里桃子が初優勝を先に遂げたころ、自身はドライバーの不調に悩み、シーズン後半戦は予選落ちを繰り返していた。

黄金世代を牽引してきた勝にとって苦汁をなめる思いだったに違いないが、その不調時に気づいたことがあった。それは「振り切ることの大事さ」だと勝はいう。振れていないから曲がる、考えすぎているから曲がるのだ。勝の結論は、しっかりフィニッシュまで振り抜くというシンプルなものだった。実はこの当たり前のことが、プロだってなかなか徹しきれないのだ。
8月最終週のニトリレディスから伊藤園レディスまでの12試合で、予選落ちが8回、棄権が1回。そして伊藤園レディス翌週のエリエールレディスオープンで優勝。予選落ちを繰り返した中で、振り切ることの大事さに気づいた
8月最終週のニトリレディスから伊藤園レディスまでの12試合で、予選落ちが8回、棄権が1回。そして伊藤園レディス翌週のエリエールレディスオープンで優勝。予選落ちを繰り返した中で、振り切ることの大事さに気づいた 【拡大】
スイング解析器によると勝のスイングは、インサイドから下りてきたヘッドが少しだけアウトサイドに抜けていく軌道で、ボールはフェード回転で真っすぐに飛んでいく。インサイドアウト軌道でしっかり振れていないと右へ押し出すミスが出る。それを嫌がれば、引っかけだ。

「体の回転を止めず、振り抜きます。腕の振りは考えていません」

勝利に無欲、スイングはシンプル。それが勝の今の強さにつながった。しっかり振るのは、パッティングンも同様だった。

芝目のきついコーライグリーンで躊躇しながらストロークすれば、ボールの転がりは必ず芝目に負ける。一度芝目に負けるストロークをすれば、迷いが生じる。

「構えたらスグに打ちます。時間をかけていると、打ち切れず調子を崩していくんです」

予選落ちを繰り返していたころは、打ち切れていなかった。そしてアドレス時に右肩が前に出てしまうという悪いクセが出ていた。右肩が前に出るから、フォローが低く前に出ない。距離感を確認するためにカップを見て、視線をボールに戻す。これを繰り返していると、カップを見たときに前に出た右肩が戻らなくなってしまうのだ。構えてスグに打つシンプルさが大事なんだと、勝はいう。

勝がレッスンの取材のときに、いっていたことがある。

「スイングってシンプルなんですよ。どこから下ろそうとか考えすぎると、体が動かなくなります。単純にいえば、上げて下ろすだけ。クラブはボールを打つために開発されています。よくできているんです」

それはドライバーからパターまで同じ。プロとしてフルシーズンを戦いきり、大きく成長した勝の言葉は重い。シンプルに徹し無欲を貫いたゴルフは、勝みなみの来季のさらなる活躍を予見しているように思えてならない。

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